厚生労働行政推進調査事業費補助金「次期制度改正を見据えた医薬品市販後安全対策の再構築に関する研究」(研究代表者:北里大学薬学部成川衛教授)の研究班は、医薬品リスク管理計画(RMP)に関する規定を医薬品医療機器等法本体に設け、RMPに基づいた医薬品の市販後安全対策にかかる法令上の仕組みを構築することを提言した。条件付き承認制度の運用拡大などにより、安全性情報が限られる状況で承認される医薬品の増加が見込まれる中、薬機法本体にRMPの位置づけを明確にすることで製薬企業に市販後安全対策への取り組みを促す。一方、地域医療でも薬剤師から患者への指導にRMP資材の活用が期待される中、制度改正が大きな後押しになるとした。
■制度周知の後押し期待
研究班は、これまでの研究で製薬企業を対象としたアンケート調査やヒアリング調査を実施し、企業側から見た医薬品市販後安全対策の現状と課題を網羅的に収集・分析した。RMPは個々の医薬品に関する特定の安全性の課題を安全性検討事項として明示し、それらに対する安全性監視やリスク最小化のための活動を計画・実施することで、リスクを適切に管理するもの。2013年に国内で運用が開始されている。