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「ベンリスタ」オートインジェクター、5歳以上小児SLEの用法・用量追加承認-GSK

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2024年06月28日 AM09:20

標準治療で疾患活動性コントロール不可の小児SLE、治療選択肢が限られる

グラクソ・スミスクライン株式会社は6月24日、ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター(一般名:(遺伝子組換え))について、既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス(以下SLE)における5歳以上の小児の用法・用量追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表した。

SLEは、関節の痛みと腫脹、極度の疲労、原因不明の発熱、皮膚発疹、および臓器障害など、時間の経過とともに変動するさまざまな症状を伴う慢性の難病自己免疫疾患。日本全国に約6~10万人ほどの患者がいると考えられている。SLE患者の多くは15~40歳の女性であり、その約10~20%が20歳までに発症する。

小児SLEの罹患率および有病率は年齢とともに上昇し、9歳以下の小児がSLEと診断されることはまれだ。小児SLEに対する治療には、成人と同様、主にステロイドや免疫抑制剤が使用されるものの、小児患者における疾患活動性は成人と比べて高く、高用量のステロイドや高頻度の免疫抑制剤が使用される。このような治療は、慢性臓器障害の増加の一因となり、重大な副作用を引き起こす可能性がある。そのため、これらの標準治療で疾患活動性を十分にコントロールできない小児SLE患者では、他の治療選択肢が限られており、アンメットメディカルニーズが高い状況だ。

点滴静注用製剤は5歳以上小児SLEで承認済みだが、皮下注製剤へのニーズがあった

ベンリスタは、可溶性BLySに高親和性に結合し、その生物活性を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体。BLySは、B細胞の生存および分化を促進する因子(リガント)であり、B細胞の免疫グロブリン産生形質細胞の生存および分化に重要な役割を果たしている。SLE患者では、BLySの増加によって自己反応性B細胞が活性化され、炎症を促進する自己抗体が産生される。ベンリスタはB細胞に直接結合せず、BLySに結合することにより、自己反応性B細胞の生存および分化を阻害する。

同剤は、日本において「既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス」を効能・効果として、2017年9月に点滴静注用製剤および皮下注製剤の製造販売承認を取得。その後、小児SLEに対しては、点滴静注用製剤で5歳以上の小児の用量追加に係る製造販売承認を2019年9月に取得している。

ベンリスタが対象となる小児SLE患者では、ステロイドおよび標準的な免疫抑制剤にて十分な効果が得られない患者が多く、代替治療の選択肢が限られているといわれている。既にベンリスタ点滴静注用製剤は5歳以上の小児SLE患者に対する用法・用量が承認されているが、小児患者において治療コンプライアンスを改善できる剤形として、皮下注製剤に対するニーズがあった。

点滴静注より時間短縮に期待、静脈内投与困難な小児へも新たな治療選択肢を提供

今回の承認は、日本も含む小児を対象とした国際共同治験の結果に基づくもの。米国に続く世界で2番目の承認となる。同承認で皮下注射が可能になることで、点滴静注のための処置室での時間短縮が期待されるとともに、静脈内投与が困難な患者に対しても新たな治療選択肢を提供できることになる。

ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクターへ新たに追加された用法・用量として、5歳以上の小児に、ベリムマブ(遺伝子組換え)1回200mgを、体重に応じた間隔で皮下注射する(体重40kg以上:1週間の間隔、体重15kg以上40kg未満:2週間の間隔)。なお、同承認は、ベンリスタ皮下注製剤のうち「ベンリスタ皮下注200mgオートインジェクター」のみ。「ベンリスタ皮下注200mgシリンジ」では5歳以上の小児を対象とした承認は取得していない。(QLifePro編集部)

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