厚生労働省は21日の高齢者医薬品適正使用検討会で、地域における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方を業務手順書として示した。薬剤師等を患者の薬剤を一元的に把握して調整を支援する「薬剤調整支援者」、地域全体で対策実行を推進する「地域ポリファーマシーコーディネーター」として設置することなどを推奨した。
地域版業務手順書では、患者の薬剤を一元的に把握し、多職種で効率的に連携して対応を進めるため、普段から患者に関わりのある医療従事者からポリファーマシーを調整するキーマンとして「薬剤調整支援者」を患者と相談して決めることが有効と記載。薬剤調整支援者には、かかりつけ薬剤師やかかりつけ医等が想定されるとし、患者が最も相談しやすい人が望ましいとした。
また、地域全体で対策を推進するためには、地域のポリファーマシーの実行を推進する「地域ポリファーマシーコーディネーター」を定めることも効果的とし、担当者には中核病院の地域連携室に所属する医療従事者、地域薬剤師会の薬剤師が考えられるとした。
コーディネーターは、自治体や地域医師会、中核病院など地域医療を中心的に推進する主体の理解を得ながら地域でのポリファーマシー推進のあり方を検討し、実行する。
場面ごとの対策の実施例も記している。外来・在宅医療患者のうち、高齢者では複数の医療機関や診療科を受診している場合があるため、1人の患者に1人の薬剤調整支援者を定め、患者の処方状況や服薬状況を把握し、処方見直しの方策を検討して患者に関与する医療機関や薬局に処方変更の提案を行うことが望ましいとした。