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エブリスディ、I型SMA小児対象試験の5年データを発表-ロシュ

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2024年06月24日 AM09:30

日本でも承認、経口投与可能なSMN2スプライシング修飾剤

スイスのエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社は6月7日、(R)(一般名:)について、I型脊髄性筋萎縮症(spinal muscular atrophy:)の小児に対する有効性と安全性プロファイルを評価したピボタル試験FIREFISH試験の非盲検延長パートの新規5年データを発表した。研究成果は、「Cure Research & Clinical Care Meeting」で発表された。

エブリスディは、5q染色体の変異により生存運動ニューロン(Survival Motor Neuron:SMN)タンパク質が欠乏することで引き起こされるSMAを治療するために設計された、SMN2スプライシング修飾剤。液剤であるエブリスディは、経口または経管投与により毎日自宅で服用する。同剤は、中枢神経系と末梢組織でSMNタンパク質の産生を増加させ、維持することによりSMAを治療することを目指して設計。SMNタンパク質は体全体に存在し、健康な運動ニューロンと基本的な運動機能(飲み込む、話す、呼吸など)を維持するために重要だ。現在、エブリスディは100か国以上で承認されており、13か国で審査中。現在、日本では、FIREFISH試験、SUNFISH試験のデータを評価資料として「(遺伝子検査により発症が予測されるものを除く)」を効能又は効果として承認されている。

FIREFISH試験はI型SMAの乳児を対象とした二部構成のピボタルな非盲検試験。乳児は登録時に平均約5.5か月で、1年間の治療を終えた58人の乳児のうち52人が非盲検延長試験に進んだ。同試験は検証的な試験であり、主要評価項目を達成している。

半数以上の小児、少なくとも30秒間支えなしに座る

今回の発表では、5年経過時点で、エブリスディによる治療を受けた小児の91%が生存していた。また、81%は永久的な人工呼吸器を必要とせずに生存しており、半数以上の小児が少なくとも30秒間支えなしに座ることができた(59%)。5年経過時点で7人の小児が立つことができ、うち3人は支えがあれば、4人は補助なしで立つことができ、また6人は支えがあれば歩くことができた。疾患修飾治療を行わない場合の自然経過において、I型SMAの小児は支えなしに座る・立つ・歩くことができないだけでなく、通常2歳を超えて生存することが難しいとされている。

エブリスディ治療群の小児、大部分が摂食・嚥下能力を維持

エブリスディによる治療を受けた小児の運動機能は、Bayley Scales of Infant and Toddler Development Third Edition(BSID-III)とHammersmith Infant Neurological Examination 2(HINE-2)による評価において、維持または継続して達成された。FIREFISH試験の結果は、エブリスディによる治療を受けた小児の大部分が摂食能力および嚥下能力を維持していることを示し、5年時点で評価された小児の96%が嚥下することができ、80%が経管栄養なしで摂食できた。

投与中止または試験からの脱落に至った治験薬と関連のある有害事象はなかった。主な有害事象は、上気道感染(64%)、発熱(64%)、肺炎(50%)。5年間の治療期間を通じて入院の頻度は減少し、エブリスディによる治療を開始して以来、全く入院が必要なかった小児は22%いた。

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