政府は21日、「経済財政運営と改革の基本方針2024」(骨太の方針)を閣議で決定した。中間年改定については、ほぼ原案通り実施の是非など具体的な言及がなかったほか、費用対効果評価のさらなる活用のあり方を検討するとした。調剤録など薬局情報のDX(デジタルトランスフォーメーション)・標準化なども盛り込んだ。
医療分野では、「創薬力の強化等ヘルスケア推進」を記載。薬価の面では25年度改定に関して、原案にあったイノベーション推進、安定供給確保の必要性に加え、「物価上昇など取り巻く環境の変化を踏まえ」を追記し、国民皆保険の持続可能性を考慮しながらあり方を検討することと記載した。薬価制度については、引き続き迅速な保険収載の運用を維持した上で、医薬品の革新性の適切な評価も含め、費用対効果評価のさらなる活用のあり方も検討するとした。
後発品関係では、足下の供給不安解消に取り組むと共に、業界再編も視野に入れた構造改革を促し、安定供給に関する法的枠組みを整備する。バイオシミラーの使用促進も記した。
22年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋に関しては、活用推進に向けて阻害要因を精査し、保険者が個別周知を行うなどして認知度向上を目指すとした。
医療DX推進の着実な実行も明記。原案にはなかった「調剤録など薬局情報のDX・標準化を検討する」を追記したほか、全国医療情報プラットフォームを構築し、共有される情報を創薬や新しい医療技術の開発に二次利用する環境整備をするとした。
一方、規制改革実施計画も決定し、デジタル技術を活用した新たな医薬品販売業の実現を記載。薬剤師と登録販売者が常駐しない店舗(受渡店舗)で別店舗(管理店舗)の有資格者によるデジタル技術を用いた遠隔販売を行う場合、まず同一都道府県内で実施する一方、より広範囲での実施に向け、撤廃を含めた地理的制限の見直しを行うことについて年内に検討を始め、遠隔販売の施行後2年以内に結論を得るとした。