厚生労働省は17日付の通知で、医薬品医療機器等法に基づく「医薬品製造管理者(管理者)の設置」を見直し、デジタル技術を活用してテレワークなど遠隔で業務を実施することを認める考えを示した。遠隔管理を前提として認めるものではなく、管理者の兼務についても従来通り都道府県知事の許可を受けた場合に限定している。
薬機法では医薬品の製造業者に対して、施設の構造設備管理、製造品の品質確保、保健衛生上の危害発生防止のため、現場に管理者を置くよう求めている。
今回の通知では、デジタル技術を活用して施設以外の場所で適正かつ円滑に現場で管理する場合と同等の管理運営ができる場合に限り、自宅等でのテレワークなど管理者が遠隔業務を行って差し支えないとした。
具体例として、品質を担当する組織から管理者への文書による報告をクラウドシステムを用いた管理システムで行うことや、逸脱の管理に関する実務を行う場合に対象製品や製造環境の現場での確認作業に代わってネットワークカメラ、室温モニタリングシステム等のデジタル技術を導入することなどを挙げたが、遠隔での業務実施を可とするものであり、遠隔での管理を前提とすることを認めるものではないとした。
また、複数の製造所、営業所、事業所にわたる管理者の業務の兼務を新たに認めるものではなく、兼務は従来通り薬機法の規定に基づいて都道府県知事の許可を受けた場合に限定されるとした。実際に遠隔で業務を行う場合、業務手順書の整備・見直しを行うほか、管理者は常時、現場での管理に切り替えることが可能な体制を確保することなどを求めている。