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日本人の子、菓子パンなど超加工食品エネルギー摂取量「多」ほど食事の質「低」-東大

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2024年06月18日 AM09:10

欧米では超加工食品からのエネルギー摂取量が若年層で高い傾向、アジアの研究は少ない

東京大学は6月14日、3~17歳の日本人1,318人から得られた8日間にわたる詳細な食事記録データをもとに、超加工食品の摂取量を調査し、食事の質との関連を調べた結果を発表した。この研究は、同大大学院医学系研究科公共健康医学専攻社会予防疫学分野の篠崎奈々助教、村上健太郎教授、佐々木敏東京大学名誉教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

食品加工は、世界の食料システムにおいて、食品の安全・安心・入手可能性の確保や食品廃棄物の削減など、極めて重要な役割を担っている。一方で、高度な加工を特徴とする超加工食品(ソーセージや菓子パン、清涼飲料など)は、脂質やナトリウムを多く含む一方で、タンパク質や食物繊維、ビタミン・ミネラル類の含有量が少ないため、多く食べることで食事全体の質が低下する可能性がある。

最近の欧米諸国を中心としたレビューによると、超加工食品からのエネルギー摂取量は、小児や青少年などの若年層で高い傾向にあることがわかっている。しかし、アジア圏における子どもの超加工食品摂取量に関する栄養学研究は少なく、日本人の子どもの超加工食品の摂取量や、食事の質との関連は明らかになっていない。

日本人の子ども1,318人対象、超加工食品の摂取量と食事の質との関連を調査

そこで今回研究グループは、日本人の子どもを対象とした全国規模の食事調査のデータを用いて、超加工食品の摂取量を調べ、食事の質との関連性を評価した。食事調査のデータとして、2016~2020年に日本の32都道府県に住む3~17歳の日本人1,318人から得られた食事記録を使用。参加者やその保護者には、参加者が8日間(各季節に2日ずつ)にわたって食べたり飲んだりしたものを全て計量して記録してもらった。そして、食事に記録されたすべての食品を、ノースカロライナ大学チャペルヒル校の研究者らが開発した食品分類の枠組みを用いて、加工レベルが低い順に「未加工/最小限の加工」「基本的な加工」「中程度の加工」「高度な加工()」の4段階に分類した。食事の質は、Healthy Eating Index-2015(アメリカ人のための食事ガイドラインの順守の程度を測る指標)とNutrient-Rich Food Index 9.3(食事全体を栄養素密度の観点から評価する指標)の2つを使って評価した。

また、外食や惣菜などの家庭外で調理された料理を、料理に含まれる個々の食材を個別に加工レベル別に分類する場合(超加工食品を少なく見積もるシナリオ)と、すべて超加工食品に分類する場合(超加工食品を多く見積もるシナリオ)の2通りで食品分類を行なった。

1日の総エネルギー摂取量で超加工食品が占める割合は27~44%、多いほど食事の質が低い

研究の結果、1日の総エネルギー摂取量に対して超加工食品が占める割合の平均値は、超加工食品を少なく見積もるシナリオでは27%で、多く見積もるシナリオでは44%。また、超加工食品からの総エネルギー摂取量に占める割合が最も大きい食品群は、超加工食品を少なく見積もるシナリオでは菓子類で、超加工食品を多く見積もるシナリオでは穀類・でんぷん質食品だった。食品分類のシナリオに関わらず、超加工食品からエネルギーを多くとっている集団ほど、Healthy Eating Index-2015およびNutrient-Rich Food Index 9.3の総スコアが低い、すなわち食事の質が低いことがわかった。

超加工食品と関連する健康状態・疾病の研究発展寄与に期待

同研究は、日本人の子どもにおいて、超加工食品の摂取量を明らかにし、その食事の質との関連性を評価した初めての研究だという。同研究成果は、日本の公衆栄養政策を決定する上での重要な資料になるとともに、今後の超加工食品と関連する健康状態や疾病に関する研究の発展に寄与することが期待される、と研究グループは述べている。

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