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「キシリトール」も心血管イベント発生リスクと関連?3,000人以上の血漿を解析

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2024年06月17日 PM05:15

キシリトールの摂取は心血管イベントのリスクを高める

糖アルコールのキシリトールの摂取量が多いと、心筋梗塞や脳卒中などの主要心血管イベント()の発生リスクが高まる可能性のあることが、米クリーブランドクリニック、ラーナー研究所のStanley Hazen氏らによる研究で明らかにされた。米国とヨーロッパの3,000人以上の患者を対象に解析した結果、キシリトールの高血中濃度は3年間のMACEの発生リスク上昇と関連することが示されたという。この研究の詳細は、「European Heart Journal」に6月6日掲載された。


画像提供HealthDay

キシリトールは砂糖と同程度の甘さだが、砂糖よりもカロリーの低い糖アルコールの一種で、あめやガム、焼き菓子、歯磨き粉などによく使われている。過去10年の間に、加工食品では、砂糖に代わる健康的な甘味料として糖アルコールなどの人工甘味料の使用が大幅に増加している。Hazen氏らは2023年に発表した研究で、米国ではキシリトールよりも使用頻度の高い糖アルコールのエリスリトールが心血管リスクと関連することを報告していた。今回の研究で同氏らは、キシリトールとMACEとの関連を調査した。

まず、選択的心機能評価を受ける発見コホート1,157人から夜間断食後に採取した血漿サンプルを用いて非標的メタボロミクスを行った。その結果、暫定的にキシリトールと見なしたポリオールの循環レベルが、3年間のMACEの発生リスクと関連することが明らかになった。次に、発見コホートとは重複しない検証コホート(2,149人)の血漿サンプルを用いて、安定同位体希釈液体クロマトグラフィータンデム質量分析を実施したところ、キシリトールとMACEの発生リスクとの関連が確認された。血液中のキシリトール濃度に応じて対象者を3群に分けた場合、最も高い群のMACEの発生リスクは最も低い群の1.57倍と推定された。

補完的な研究として、分離されたヒト血小板、多血小板血漿、全血、および動物モデルを用いて、キシリトールが血小板の反応性および体内の血栓形成に与える影響を調べた。その結果、空腹時血漿中のキシリトールが、血小板の反応性および体内の血栓形成の複数の指標を増強することが示された。最後に、健康な人10人を対象に、キシリトールを甘味料とする飲料の摂取が血小板の機能にもたらす影響を検討したところ、全ての対象者において、血漿中のキシリトール濃度が顕著に上昇し、血小板の反応性に関する複数の機能的指標が増強することが確認された。

Hazen氏は、「過去の研究に続きこの研究でも、糖アルコールなどの人工甘味料、特に肥満や糖尿病のような疾患と闘っている患者に対して推奨され続けている人工甘味料を今すぐにでも調査する必要があることが示された」と話す。同氏は、「キシリトール入りの歯磨き粉を捨てろというわけではないが、高濃度のキシリトールを含む製品を摂取することで血栓関連イベントの発生リスクが高まる可能性があることを認識しておく必要がある」と付け加えている。

研究グループは、人工甘味料の使用も含め、食品の選択について医師や認定栄養士に相談することを勧めている。(HealthDay News 20024年6月6日)

▼外部リンク
Xylitol is prothrombotic and associated with cardiovascular risk

HealthDay
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