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オンボー、活動期潰瘍性大腸炎の在宅自己注射が保険適用に-リリーと持田製薬

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2024年06月05日 AM09:10

IL-23のp19サブユニットを標的とした、ヒト化IgG4

日本イーライリリー株式会社と持田製薬株式会社は6月3日、ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤「オンボー(R)皮下注100mg オートインジェクター」、「オンボー(R)皮下注100mg シリンジ」(一般名:ミリキズマブ(遺伝子組換え)、以下、オンボー皮下注)について、在宅自己注射指導管理料の対象薬剤として同年6月1日より在宅自己注射が保険適用になったと発表した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

潰瘍性大腸炎は原因不明のびまん性非特異性の炎症性疾患で、若年者に発症し慢性の経過をたどることにより、就学、就業、家庭生活などに影響を及ぼすことが多く、便意切迫感や便失禁などの症状はさまざまな社会活動の制限、QOLの低下に大きく関わっている。そのため、便意切迫感などの症状を大幅に緩和させ、臨床的寛解を持続させる新たな治療選択肢に対するアンメット・ニーズが存在する。

「オンボー(R)点滴静注300mg」「オンボー(R)皮下注100mg オートインジェクター」「オンボー(R)皮下注100mg シリンジ」は、大腸粘膜の炎症に関与するサイトカインであるIL-23のp19サブユニットを標的としたヒト化IgG4モノクローナル抗体で、潰瘍性大腸炎の治療薬として世界で初めての抗IL-23p19モノクローナル抗体製剤。IL-23とIL-12の共通のサブユニットであるp40には結合しないため、IL-23とIL-23受容体との相互作用のみを阻害して炎症性サイトカインの発生を抑制する。

日本において、点滴静注製剤は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」、皮下注製剤は「中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を効能または効果として2023年3月27日に製造販売承認を取得し、2023年6月21日に発売された。なお、2024年6月1日より処方日数制限は解除となっている。

活動期潰瘍性大腸炎の維持療法における新たな選択肢に

オンボー皮下注は、既存治療で効果不十分な中等症から重症の潰瘍性大腸炎の維持療法に使用される皮下投与製剤。これまで4週間隔で通院のうえ医師による皮下投与が必要だったが、処方日数制限の解除ならびに今回の保険適用に伴い、医師が妥当と判断した患者については、十分な説明およびトレーニングを受けたうえで在宅での自己注射が可能となる。これにより、患者の通院にかかる時間や交通費、医療機関での待ち時間などの負担が軽減される。

両社は今後も本剤を通じて患者のQOL向上に貢献していく、と述べている。

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