IL-13シグナル伝達を特異的に阻害するヒトモノクローナル抗体
日本イーライリリー株式会社は5月31日、イブグリース(R)皮下注250mgオートインジェクター、同シリンジ」(一般名:レブリキズマブ(遺伝子組換え))について、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果として新発売したことを発表した。
画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)
アトピー性皮膚炎は、体のあらゆる部位の強い痒み、皮膚の乾燥・炎症を特徴とする慢性および再発性の皮膚疾患だ。臨床的にも生物学的にも多様性のある疾患で、症状の表れ方も多彩であり、予測不可能な増悪を伴うことが特徴だ。他の慢性炎症性疾患と同様に、アトピー性皮膚炎は免疫が関わっており、免疫細胞と炎症性サイトカインの複雑な相互作用が関与している。アトピー性皮膚炎患者は、睡眠、日常生活、社会生活に影響しうるほど不快な強い持続性の痒みをしばしば訴え、痒みによって掻いてしまうことでさらに皮膚損傷を引き起こす。
イブグリースは、アトピー性皮膚炎の中心的メディエーターであるIL-13に高親和性で結合するヒト化抗ヒトIL13モノクローナル抗体。IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)の形成を阻害することにより、それを介したIL-13シグナル伝達を特異的に阻害し、アトピー性皮膚炎の病態形成を抑制する。
アトピー性皮膚炎注射剤で唯一4週間隔投与が可能に
同剤はレブリキズマブとして、通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対し、初回および2週後に500mg、4週以降は250mgを2週間隔で皮下投与するが、患者の状態に応じて4週以降は250mgを4週間隔で皮下投与することが可能だ。
同社のロータス・モールブリス自己免疫事業本部長は「アトピー性皮膚炎は、臨床的にも生物学的にも多様性のある慢性疾患であり、患者それぞれに合わせた治療を行うことが重要だと考えている。そのため、既存治療では効果が不十分な患者に対し、新たな治療薬としてイブグリースをお届けできることを大変嬉しく思う。また、イブグリースはアトピー性皮膚炎の注射剤としては唯一(4週以降、患者の状態に応じて)4週間隔での投与が可能な薬剤だ。持続的な症状の緩和を必要とされている患者にとって、重要な選択肢の一つとなると考えている」と述べている。
▼関連リンク
・日本イーライリリー株式会社 プレスリリース