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【厚労省/国衛研】プベルル酸で腎毒性確認-紅麹製品から2化合物

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2024年05月31日 AM10:14

厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所は28日、小林製薬の紅麹含有製品による健康被害発生の原因究明調査として、新たに2化合物の検出とプベルル酸の腎毒性が動物実験で確認されたことを公表した。健康被害の原因物質特定には、さらに長期間の動物実験が必要で、90日以上かかるとの見方を示している。

同社の紅麹含有製品のうち、健康被害情報のあった原料品ロットをめぐっては、国衛研による調査で青カビの一種が作る物質のプベルル酸が検出されたことが既に報告されている。

今回、新たに「化合物Y」と「化合物Z」を検出したことを公表した。紅麹含有製品では、原材料から培養・乾燥、培養品ロット製造の過程で有用成分のモナコリンKが作られる。

化合物Y・Zは共に、モナコリンKと基本骨格が類似しており、紅麹菌がモナコリンKを産生する過程で青カビの介在により生成されると推定した。2化合物について、現時点で文献情報等に合致するものがなく、既知の天然化合物ではないと分析した。

2化合物が混入した段階について、培養ロットにプベルル酸、化合物Y・Zが含まれていることを確認し、培養段階での混入を推定しているが、培養段階における具体的な混入タイミング、経路は不明としている。

同社の大阪工場、和歌山工場共に青カビが存在し、青カビ単独でプベルル酸は産生する一方、化合物Y・Zは産生されなかった。

紅麹菌と青カビの共培養実験も行ったところ、共存可能なことが確認された。化合物Yは、青カビの介在によりモナコリンKが修飾された物質と推定したが、化合物Zについては確認中としている。

ラットの動物実験による腎毒性の確認を7日間にわたり、プベルル酸単品、製品(、化合物Y・Z含有)の反復経口投与試験を実施した結果、近位尿細管の変性、壊死等が確認された。単品と製品のどちらがより毒性が強いかについては、「現時点では明確に言えない」としている。

これらのことから、厚労省と国衛研は、▽工場内の青カビが培養段階で混入し、コメ培地を栄養源としてプベルル酸を産生した▽青カビが紅麹菌との共培養により、モナコリンKを修飾して化合物Y・Zを生成した――と結論づけ、プベルル酸については腎障害が確認されたものの、化合物Y・Zに関しては引き続き90日間の反復投与試験で寄与度を確認するとした。

調査結果によっては、同様の事案発生を防止するため、食品衛生法上の規格基準の策定、衛生管理推進の徹底を検討する。

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