地域の薬局に在宅緩和医療の担い手としての役割が求められる中、夜間・休日も含めた24時間365日対応の医療用麻薬などの医薬品提供体制には大きな課題があることが、25~26の両日に都内で開かれた日本緩和医療薬学会年会で指摘された。「夜間・休日、緊急時に対応可能」と標榜している薬局と連絡が取れずに医薬品を求め、薬局探しに奔走する患者も少なくなく、演者からは地域で連携の仕組みを作り、本当に対応できる薬局のリスト化を求める声もあった。
2022年に都内で在宅医療に特化した「メディプレイス365訪問薬局」を開局した佐々木健氏は、24時間365日対応の厳しさを訴えた。厚生労働省が実施した調査では「約7割の薬局が夜間・休日の体制を整えている」との結果が公表されているが、佐々木氏によると「夜間・休日対応可の薬局と連絡がつかず、緊急連絡先にも電話したが連絡がつかなかった」など対応依頼の問い合わせが入ってくるという。