■機能性検討会が報告書
消費者庁の機能性表示食品をめぐる検討会は23日、検討会報告書を座長一任で取りまとめた。全ての機能性表示食品を対象に、届出者が健康被害情報を行政機関に報告することを法的に義務づけること、サプリメントについて医薬品と同様にGMPに基づく製造・品質管理を行うことを法的義務とすることなどを提言として盛り込んだ。同庁は、提言内容について5月末をメドとする機能性表示食品のあり方の取りまとめに反映させたい考えである。
報告書では、健康被害情報の収集と行政機関への情報提供義務について、サプリメントに限らず全ての機能性表示食品を対象とした。機能性表示食品の届出者が報告の判断に迷わないよう食品表示基準と内閣府告示で対象事案や提供期限等を規定し、法的義務を課すべきとし、遵守しない場合は機能性表示食品としての表示を行わないよう指示・命令等の行政措置を発動することが可能になるとした。
情報提供義務の対象は、医師の診断を受け、症状が当該食品に起因するまたはその疑いが否定できないとした健康被害情報としたほか、薬剤師や医師等から健康被害情報を収集できる仕組みも検討する必要があると明記した。
製造管理・品質管理では、サプリメント形状の機能性表示食品について、法令で規定されたGMPに基づく管理を行うことを届出時や販売期間中における法的義務にし、GMPの具体的内容は消費者庁が明確化することとした。
義務化に当たっては、届出者が自己点検できるよう管理に関する重要事項を分かりやすくチェックポイント等の整備を行い、必要に応じて消費者庁が立入検査を行う仕組みも検討すべきとした。
消費者等への情報伝達のあり方として、パッケージ表示で特定保健用食品(トクホ)との誤認を避けるため、機能性表示食品としての識別性を高めるほか、安全性や機能性について国の評価を受けた食品でないことを端的な表示方法とするよう改善を求めた。医薬品ではなく、治療や予防等を目的とした製品でないこと、疾病に罹患している場合は医師等に摂取の是非を相談することも表示が必要とした。
そのほか、義務化を求める項目は新規届出者だけでなく、既に届け出ている事業者にも適用することが適当とした。医学や薬学等の専門家の意見をヒアリングする仕組みを導入するなど、同庁における販売前の確認をより慎重に行うため、届出資料の提出期限を特例的に販売日前60日よりも長期間とする手続きの見直しなども必要とした。
取りまとめを受け、あいさつした自見英子消費者・食品安全担当相は、提言内容について「社会の関心に真正面から答え、信頼の回復につながる実効性のある方向性」と評価した上で、今月末をメドに機能性表示食品のあり方を取りまとめることに言及。
「しっかりと受け止めて取りまとめに反映すること、より良い機能性表示食品のあり方に向けて全力を尽くすことを約束する」と述べた。