20日に開かれた医療用医薬品の流通改善に関する懇談会で了承を得た。具体的には、全国展開の卸4社と地方展開の卸4社を通じて、全国の医療機関・薬局における2023年度、24年度1カ月分の医療用医薬品にかかる▽薬価総額▽納入価格総額▽薬価差額▽乖離率――の四項目で取引情報を把握する。今年度に限っては、「新薬創出等加算品目」「基礎的医薬品」「安定確保医薬品(カテゴリーA)」「不採算品再算定品」のカテゴリー別で取引情報を把握する方針。今年度の情報収集の実施時期はまだ決まっていない。
調査対象となる薬局は「1店舗」「2店舗~19店舗」「20店舗~299店舗」「300店舗~499店舗」「500店舗以上」の5区分。全体における薬価総額や納入価額総額、薬価差額、乖離率に加え、医薬品のカテゴリー別、価格交渉代行業者を使用した場合の取引でも同様に把握する。
卸の年間取引における薬価と取引額の乖離について21年度に実施した調査で、200床未満の病院・診療所の乖離指数を100とした場合の指数で見ると、20店舗以上のチェーン薬局が184と高かった。
一方、医療機関では、国公立・公的・社会保険の「200床以上の病院」「200床未満の病院」「医療法人・その他の200床以上の病院」「医療法人・その他の200床未満の病院」「診療所」の五つに分類して情報を収集する。
価格交渉代行業者を用いた取引に関する情報収集は初めて。代行業者は「医療機関等が医療用薬を購入するに当たり、医療機関等に代わって卸と価格交渉を行うケース」と、「医薬品卸売業許可を取得し、医療機関等に医療用薬を販売することを目的として別の卸から医療用薬を購入するなどのケース」を想定。
価格交渉力を強める代行業者に批判的な声が相次ぐ中、厚労省は「今回の情報収集は薬価差の問題と改訂ガイドラインがどのような影響を与えているのかマクロ的な意味で実施するもの。価格交渉代行業者のあり方については、また別の場で整理していく必要がある」との見解を示した。