新薬の承認は、薬事審議会の各部会による審議後に事務手続きを経て、厚労相が承認している。第一部会・第二部会はそれぞれ1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月の年8回開催されているが、承認は3月、6月、9月、12月の年4回のみ実施されている。
通知で厚労省は、新薬に関する承認のタイミングについて、承認に必要な事務手続き、審査期間の目標、薬価収載の時期等を考慮した上で、原則として各部会の開催から3週間以内をメドに承認する方針を示した。
現行ルールでは年4回承認のため、例えば1月または2月の部会で「承認して差し支えない」と判断された品目は3月に承認されている。
しかし、今回の通知により、現在よりも承認の頻度が増える見通しとなる。薬価収載に関するルールでは、承認から原則60日以内、遅くとも90日以内としているが、承認が早期化することで収載のタイミングも早まる可能性がある。
診療報酬改定が実施される年の前年10~12月までに開催される部会で承認可とされた品目については、同期間の最後の部会開催から3週間以内をメドに承認する。10月と11月にそれぞれ部会が開催された場合、11月の部会開催から3週間以内に各月の部会で承認可とされた品目が承認されることになる。
また、医療上の必要性などから、製造販売業者の意見を踏まえて個別に承認日を設定する場合があるともしている。
25年1月1日以降に開催される部会で審議・報告される品目から適用される一方、同3月末までに申請される予定の品目については、供給計画や開発計画等に合わせる形で、従来通りの取り扱いとすることも認めている。他方で、26年4月1日以降開催予定の部会では、これまでの実績を踏まえ、承認に関する取り扱いを変更する可能性もあるとしている。
■製薬業界は「歓迎」
新薬の承認時期見直しを受け、日本製薬工業協会薬事委員会の柏谷祐司委員長は25日の総会後記者会見で、「年4回しか承認されなかったものが年7回のチャンスに増えたと考えれば、非常にありがたい」と歓迎した。
製薬企業に与える影響については、「従来は年4回に向けた開発戦略を作っていたので、年7回となるとアジャストが難しくなるが、その点は前向きに捉えたい」と話した。