gMG・ITPに続く、日本で3つ目の適応症申請
アルジェニクスジャパン株式会社は4月25日、抗胎児性Fc受容体(FcRn)抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤「ヒフデュラ(R)配合皮下注」(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニターゼ アルファ(遺伝子組換え)配合皮下注製剤)について、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎(CIDP)に対する効能効果及び用法用量に関する製造販売承認事項一部変更承認の申請を提出したと発表した。
ヒフデュラは、「ウィフガート(R)点滴静注400mg」(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤)に、浸透促進剤ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を配合した固定用量の皮下投与製剤。在宅等での自己投与が可能な製剤だ。CIDPの適応追加が承認された場合、エフガルチギモド(ウィフガート/ヒフデュラ)では、全身型重症筋無力症(gMG)、慢性特発性血小板減少性紫斑病(慢性ITP)に続き、日本において3つ目の適応症となる。ヒフデュラは米国において、抗AChR抗体陽性の成人患者におけるgMG治療薬として、製品名VYVGART(R) Hytruloで2023年6月に承認。現在、米国においてもCIDPの適応追加を申請中だ。
CIDPは、末梢神経系の希少かつ重度な自己免疫疾患。同疾患の病態生理は解明されておらず、IgG自己抗体が末梢神経の損傷に関与していると考えられている。CIDP患者は、疲労感、四肢の筋力低下・感覚障害を経験し、時間の経過とともに症状の悪化、再発と消失を繰り返すことがあり、日常生活で必要な身体機能を著しく損なう。
ADHERE試験でCIDPの臨床的悪化(再発)リスクを有意に低下
この度の承認申請は、ヒフデュラのCIDPに対する有効性および安全性を評価した、ADHERE試験から得られた肯定的な結果に基づくもの。ADHERE試験は、CIDPの治療薬としてヒフデュラの有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設国際共同試験。ADHERE試験には、未治療(過去6か月以上CIDPの治療を受けていない、または治療歴がない)または、免疫グロブリン療法もしくはコルチコステロイドの投与を受けているCIDPの成人患者、322名が登録された。同試験で、ヒフデュラはプラセボと比較して、臨床的悪化(再発)のリスクを有意に低下させた。
国内初のグロブリン製剤承認から25年ぶりの承認に期待
今回の承認申請について、「CIDPは、末梢神経系の希少かつ重度な自己免疫疾患で、疲労感、四肢の筋力低下・感覚障害が生じることがあるため、生涯にわたり患者の生活に影響を及ぼす。CIDPの適応追加が承認されれば、CIDPの治療において、国内で最初のグロブリン製剤が承認されてから、25年ぶりのイノベーションになると言える」と、同社のヘルマン・ストレンガー代表取締役社長は述べている。
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・アルジェニクスジャパン株式会社 プレスリリース