後発品産業をめぐっては、少量多品目生産や後発品の低収益構造などの構造的課題が挙げられている。報告書では、▽全企業において製造管理・品質管理体制が整っていること▽各企業において医薬品を安定的に供給できる体制が保たれると共に産業全体として必要に応じて増産を行う余力のある体制が確保できていること▽収益と投資の好循環が確立しており、産業として持続可能な形になっていること――の実現を目指す必要があると記載した。
生産性の向上、人材の育成などガバナンスの強化、業界再編や企業間の連携・協力の推進を「業界自らのイニシアティブで進めていくべきである」と記した。
対策の実施にあたっては、現下の供給不安の解消に向け、実施できるものから迅速に着手しつつ、5年程度の集中改革期間を設定して、実施すべき対策を整理したロードマップを厚労省において速やかに策定し、実施状況をフォローアップしながら供給不安の早期の解消と再発の防止を着実に行っていく必要があるとした。
持続可能な産業構造には、既収載品目を統合し、一方の品目が市場から撤退する際の供給停止や薬価削除プロセスを一定の条件の下で簡素化するなどの方策を検討すべきとした。
後発品の規格揃え原則ルールも緩和するよう求めた。収載後5年経過後は供給停止・薬価削除プロセスを適用できるよう検討し、薬価収載後5年を待たずに医療上必ずしも必要でないと考える規格がある場合の取り扱いも明確化すべきとした。その中に口腔内崩壊錠も検討するよう求めた。
企業間の連携・協力の推進に向けては、▽後発品企業が他の企業に譲渡するモデル▽ファンドが介在して複数の後発品企業や事業の買収を行い、統合していくモデル▽複数の後発品企業が集まり品目・機能を集約・共有していくモデル――などの手法が検討会で議論されてきたが、「様々な形で企業間の連携・協力を進める検討が活発化しており、業界再編が行われる機運を高めていく必要がある」と問題提起した。今後、他産業での業界再編に向けた取り組みも参考にしつつ、「金融・財政措置など様々な面から企業の取り組みを後押しする方策を検討していくべき」と提唱した。