特許庁は22日、AIを利活用した創作の特許法上の保護のあり方に関する調査研究の結果を公表した。製薬・バイオ業界関係者に対するヒアリングでは、「AIの精度が向上したとしても創薬ではあまり大きなブレイクスルーにはつながらない」とAI創薬の限界を指摘する意見が聞かれた。一方、AIが予測しただけの発明に対する特許出願が認められると、「製薬企業にとってのデメリットが大きい」とし、AIを利活用した発明に関して特許法上の保護のあり方を見直すことにも否定的な考えを示していた。
調査は、AIを利活用した創作の特許法上の保護のあり方を検討する上での基礎資料を作成することを目的に、AI関連技術を活用している企業、研究機関などにアンケートを行ったもの。創薬プロセスの上流となるリード化合物探索でAIを活用していると回答したバイオ企業にAIの利活用による化合物の開発期間短縮効果を聞いたところ、「もともと1~2年要していたのが1年に短縮される程度であり、全体的な開発期間に影響するほどではない」と限定的とした。