厚生労働省は19日、長期収載品の選定療養の対象医薬品として101社1095品目が該当したことを公表した。10月以降に対象品目を使用する場合は、対象薬と後発品の価格差の4分の1を患者が負担することになる。自己負担額が最も大きくなるのは、日本イーライリリーの抗癌剤「アリムタ注射用500mg」(一般名:ペメトレキセドナトリウム水和物)で1万3051円となる。企業別では田辺三菱製薬が21成分49品目と最も多かった。
同日付で都道府県に通知を発出した。選定療養の対象薬は、▽後発品のある先発品(いわゆる準先発品も含む)▽後発品が収載された年数および後発品置き換え率の観点から組成および剤形区分が同一であり、後発品が初めて薬価収載されてから5年を経過した品目や、後発品が初めて薬価収載されてから5年を経過しない品目のうち後発品置き換え率が50%以上▽長期収載品の薬価が後発品のうち最も薬価が高いものの薬価を超えている――の全てを満たすものとした。
対象薬は、脂質異常症に用いられるスタチン製剤、アンジオテンシン受容体II拮抗剤(ARB)をはじめとする高血圧症治療剤、スイッチOTC化が議論されている胃潰瘍などを効能・効果とするプロトンポンプ阻害剤など、生活習慣病の薬剤が多く含まれていた。そのほか、ドネペジルやメマンチンなど第1世代のアルツハイマー病治療剤、外用鎮痛消炎剤なども対象となった。
田辺三菱は21成分49品目が該当し、住友ファーマが19成分46品目、ヴィアトリス製薬が18成分43品目と続いた。それ以降は、武田テバが14成分37品目、エーザイが19成分35品目、ノバルティスファーマが17成分35品目、グラクソ・スミスクラインが14成分31品目、第一三共が13成分30品目の順となった。
対象薬の価格差が最も大きいのは、日本イーライリリーの「アリムタ注射用500mg」で、患者の希望で使用する場合、薬価の9万7951円と後発品薬価4万5746円の差額の4分の1に相当する自己負担額は1万3051円となる。先発品と後発品の薬価差額が1万円以上となる医薬品は8品目で見られた。