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全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス

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2024年04月19日 AM09:30

ウィフガート点滴静注より投与時間を短縮、在宅等での自己投与可能に

アルジェニクスジャパン株式会社は4月17日、抗胎児性Fc受容体(FcRn)抗体フラグメント・ヒアルロン酸分解酵素配合製剤「(R)配合皮下注」(一般名:(遺伝子組換え)・(遺伝子組換え)配合皮下注製剤)について、(ステロイド剤又はステロイド以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)を効能または効果として発売したと発表した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

ヒフデュラは、エフガルチギモド アルファに、浸透促進剤ボルヒアルロニダーゼ アルファを配合した固定用量の皮下投与製剤。同社が2022年5月に発売した「ウィフガート点滴静注400mg」[エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤]に比べ、薬剤調製手順が簡略化され、投与時間が短縮できる。このことから、医療従事者および全身型重症筋無力症(gMG)の患者の負担が軽減されることが期待される。また、在宅等での自己投与が可能な製剤だ。

ウィフガートは、FcRnとの親和性を増大させるように設計されたヒトIgG1の抗体フラグメントの改変体。FcRnはIgG抗体の分解を妨げる上で中心的な役割を担っている。ウィフガートは、内因性IgGのFcRnへの結合を競合阻害することによって、内因性IgGのリサイクルを阻害して、IgG分解を促進し、IgG自己抗体を含む血中IgG濃度を減少させる。ウィフガートは、gMG治療薬として、日本で2022年5月に発売後、2024年3月には慢性特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する適応が追加されている。ヒフデュラは、米国において、抗AChR抗体陽性の成人患者における全身型重症筋無力症の治療薬として、製品名VYVGART(R) Hytruloで2023年6月に承認されている。

重症筋無力症(MG)は、IgG自己抗体が神経と筋肉の間の伝達を妨害することで、消耗性で生命を脅かす可能性のある筋力低下を引き起こすまれな慢性自己免疫疾患。全身の筋力低下、易疲労性が出現し、特に眼瞼下垂、複視などの眼の症状を起こしやすいことが特徴だ。眼の症状だけの場合は眼筋型、全身の症状があるものを全身型と呼ぶ。話したり、飲み込んだり、動いたりすることが困難になる場合もある。重症化すると呼吸筋の麻痺を起こし、呼吸困難を来すこともある。2018年の全国疫学調査によると、日本国内のMG患者数は推定約2万9,000人。日本では、眼筋型MGが全体の約20%と報告されており、国内の全身型MG患者数は全体の80%程度、1万8,000~2万4,000人程度と推定されている。MGは厚生労働省より難病指定を受けている。

ウィフガートへの皮下投与製剤非劣性を検証P3試験などで有効性・安全性を評価

ヒフデュラは、gMG患者に対する薬力学的効果、有効性および安全性を評価した、第3相国際共同ADAPT-SC試験およびその継続投与試験から得られた結果に基づき、1月に日本で製造販売承認された。ADAPT-SC試験は、ウィフガート(点滴静注製剤)に対する皮下投与製剤の非劣性を検証した試験。第3相ADAPT-SC試験は、多施設共同ランダム化非盲検並行群間比較試験で、gMG成人患者を対象に、ヒフデュラの薬力学的効果がウィフガートと比較して非劣性であることを示すため、29日目における総IgG濃度のベースラインからの変化率を評価した。また、同時に安全性、有効性、免疫原性、および薬物動態(PK)の評価を行い、試験には米国、欧州、および日本のgMG成人患者計110人が参加。患者は、ヒフデュラまたはウィフガートの群に1対1の比率でランダムに割り付けられ、週1回の間隔で4回の投与からなる1治療サイクルの投与を受けた。試験期間は、スクリーニング期間と治療サイクル後週間の追跡期間を含め、約12週間だった。

患者のライフスタイルに合わせた治療法選択に期待

同社のヘルマン・ストレンガー代表取締役社長は「ウィフガートおよびヒフデュラの2剤により、gMG患者や医療従事者は、患者のライフスタイルに合わせた治療法を選択することができるようになる。承認済みのgMGや慢性ITPに加え、当社は多くの重篤な自己免疫疾患に対してエフガルチギモドの可能性を評価しており、今後も継続して免疫学のイノベーションを患者さんにお届けしていく」と、述べている。

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