神谷政幸参議院議員は4日の参議院厚生労働委員会で、小林製薬の紅麹に関連した製品で多くの健康被害が発生している問題で質疑に立った。食品基準法に違反した3製品が、いずれも国による有効性・安全性の審査がない「機能性表示食品」であることを踏まえ、「国民の健康に関わる規制緩和を進める際には、安全性確保を図るべきではないか」と提言した。
神谷氏は「機能性表示食品は、規制緩和による経済成長の一つとして誕生した経緯がある」と述べ、国による審査が必要な特定保健用食品の認証がこの5年で横ばいにとどまるのに対し、事業者の届出のみの機能性表示食品は3倍に増加している現状を指摘した。
その上で、「因果関係は不明だが、今般の問題が与えている社会的影響が大きいことは確かだ。国民の健康に関わる規制緩和を進める際には、安全性の確保策をしっかりと考えるべきではないか」と述べ、厚労省の対応について質した。
これに対し、武見敬三厚生労働相は、「食品衛生法に基づき食品の安全性の確保を図るのが責務」とし、「規制緩和が契機であるかどうかに関わらず、食品の安全性を揺るがす場合には、全力を挙げて原因の究明に取り組むと共に、しっかりとしたエビデンスに基づいて再発防止策を講じていくことが重要」と答弁した。
また、神谷氏は、健康被害が疑われる人が事業者や厚労省に問い合わせをしてもつながらない場合に「薬局で薬剤師に相談をして安心感を得たケースもある」との事例を紹介しつつ、患者からの相談窓口として「アクセスしやすい薬局の活用も一つの手段」と提案した。
健康食品による健康被害拡大防止に向けては、「関連が疑われた際に幅広く情報を拾い上げ、いち早く共有されることが重要だ。医師会や薬剤師会など、関連する専門職が連携して情報共有していくことが効果的」と述べ、厚労省に関係者間での情報共有や消費者のリテラシー向上に向けた施策に取り組むよう要請した。