日本薬学会は3月28日、横浜市内で代議員総会を開き、2024年度の役員改選で25~26年度の次期会頭含みの副会頭に、石井伊都子氏(千葉大学病院教授・薬剤部長)が就任することを承認した。女性の会頭就任は初めて。病院薬剤師の会頭も初と見られる。このほか、任期1年の新たな副会頭として、来年3月に福岡市で開かれる第145年会の組織委員長を務める大嶋孝志氏(九州大学薬学研究院教授)が選出された。
24年度は、会頭を岩渕好治氏(東北大学大学院薬学研究科教授)、副会頭を石井氏、林良雄氏(東京薬科大学教授)、大嶋氏の3人が務める。
次期会頭に内定した石井氏は、薬事日報に「薬学会は近年、ダイバーシティ推進に取り組んでいる。私が選ばれたことを踏まえて、何ができるのかを考えていきたい。性別や職種は関係なく、サイエンスに一生懸命取り組んでいる人が会頭になるということが、これからも当たり前であってほしい」と語った。
代議員総会であいさつした岩渕氏は、「デジタル化という潮流が押し寄せている。中でも生成AIは今後の医療や研究など様々なところに影響を及ぼす。こうしたことを踏まえ、薬学会の事業を立案している」と説明。
薬学会の会員数減少への対策として、ホームページ刷新による発信力の向上や、薬学会への求心力を高める取り組みに力を入れるほか、学生ジュニア会員やシニア会員等の会員枠拡充による会員増に期待感を示した。
代議員総会では、決議済みの報告事項として24年度の事業計画や予算が示された。24年度は引き続き、▽学術研究・教育活動の推進▽学会情報の配信▽他機関との交流協力とグローバル化の推進▽学会基盤の整備・確立――を柱として事業を展開する。24年度から新たに薬学会が実施する諸活動について、ダイバーシティに対する配慮の点検と提言を行う。