厚生労働省の「新型インフルエンザ対策に関する小委員会」は8日、今夏予定の新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定に向けて意見交換した。ワクチンについては、小児を優先とする確保や接種の検討、平時からメーカーと生産に関する協定を結んでおく重要性を訴える声が出た。
ワクチンの項目については、▽平時からのパンデミックワクチン等の開発のあり方▽有事におけるワクチン確保▽デジタル技術を活用した迅速な接種体制の構築――が論点となった。
中島一敏委員(大東文化大学スポーツ・健康科学部健康科学科教授)は、ワクチンの確保と接種の優先順位に言及。「次のパンデミックでは、小児やその他のハイリスク者が重症化する可能性もある。複数のシナリオを考えた上で、ある程度の大枠を先に考えておくべき」と訴えた。
齋藤昭彦委員(新潟大学大学院小児科学分野教授)も「コロナの流行初期は小児の感染リスクは分からなかったが、パンデミックワクチンを平時から製造する際やワクチン確保の面でも、小児が重症化することは常に考えた上で準備してほしい」と求めた。
坂元昇委員(川崎市健康福祉局医務監)は、コロナワクチン生産の海外依存を指摘し、「パンデミック時には各国間で奪い合いが起きるので、メーカーとの生産協定を平時から考え、体制整備が必要ではないか」と述べた。