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指定難病の医療費助成、間質性肺疾患の医師/患者への意識調査-QLifeとNBI

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2024年02月26日 AM09:00

SLEなどの患者500人、医師200人が回答

株式会社QLifeと日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社は2月22日、間質性肺疾患に関連する指定難病と診断され治療を受けている患者および間質性肺疾患を伴う指定難病患者を診療している医師を対象に、難病医療費助成制度に関する調査を行い、その結果を発表した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

今回の調査は、最近の難病法・難病医療費助成制度における変更事項についての浸透度や理解度を明らかにし、また難病医療費助成の利用上の課題やニーズを抽出することで、患者の治療環境を整えていくための知見を得ることを目的として実施された。

患者調査は、20~79歳(男性41.4%、女性58.0%、答えたくない0.6% 有効回答数500人)の間質性肺疾患に関連する指定難病と診断され治療を受けている患者対象に、2023年10月20日~10月24日にインターネットで実施された。医師調査は、難病指定医・協力難病指定医で、最近1年間に調査対象の指定難病で間質性肺疾患(間質性肺炎、肺線維症を含む)を伴う患者を診療している医師(有効回答数200人)に、同年10月19日~10月23日にインターネットで実施された。

なお、対象疾患は次の通り。結節性多発動脈炎、、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、悪性関節リウマチ、、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性強皮症、混合性結合組織病、、サルコイドーシス、特発性間質性肺炎、肺胞蛋白症(自己免疫性又は先天性)。

「さかのぼって医療費助成を受けられる」患者の認知度の低さが明らかに

調査対象のうち、難病医療費制度を利用している患者は241人(以下、利用患者)、利用していない患者(以下、非利用患者)は259人だった。

難病法および難病医療費制度の認知度について尋ねたところ、2022年12月に改正難病法が成立したことに対して、「内容までは把握していないが、聞いたり見たりしたことがある」(利用患者29.0%、非利用患者36.3%)、「内容を把握している」(利用患者14.9%、非利用患者8.1%)と答え、認知している患者が制度利用者では43.9%、非利用者では44.4%となった反面、「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」(利用患者56.0%、非利用患者55.6%)と答えた患者が半数以上となった。

また、今後、重症と診断された時点にさかのぼって医療費助成を受けられることに対しては、「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」が最も多く、利用患者の68.5%、非利用患者の66.0%だった。一部の指定難病は診断基準等のアップデート(見直し)が進められていることに対しても、「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」が最も多く、利用患者の70.5%、非利用患者の67.6%と高い割合となった。

さかのぼっての医療費助成、医師は「内容は把握していないが見聞きしたことがある」43.5%

一方、医師調査では、2022年12月に改正難病法が成立したことに対して、「内容までは把握していないが、聞いたり見たりしたことがある」(46.5%)が最も多く、「内容を把握している」(29.5%)と続いた。「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」が24.0%だった。

重症と診断された時点にさかのぼって医療費助成を受けられることに対しては、「内容までは把握していないが、聞いたり見たりしたことがある」(43.5%)が最も多く、次いで「内容を把握している」(32.5%)、「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」が24.0%だった。一部の指定難病は診断基準等のアップデート(見直し)が進められていることについては、「内容までは把握していないが、聞いたり見たりしたことがある」(40.5%)が最も多かったが、「今まで見たり聞いたりしたことがなかった」が32.5%だった。

医師「要件を満たす可能性がある患者に情報提供」52.0%

難病医療費助成制度を認知している患者(利用患者241人、非利用患者191人)に認知経路について尋ねた。「制度についてどこから知ったのか」(複数回答可)を聞いた結果、「主治医」(利用患者70.5%、非利用患者35.1%)が最多で、「通院先の相談窓口」(利用患者19.9%、非利用患者13.6%)、「自治体の窓口」(利用患者10.0%、非利用患者12.6%)と続いた。非利用患者では「家族・知人・友人」を通じて認知した人が15.2%と主治医に次いで多いことがわかった。

医師に、指定難病患者に対する難病医療費助成制度に関する情報提供について尋ねたところ、最も多いのは「要件を満たす可能性がある患者に紹介する」(52.0%)で、「重症度に関わらず指定難病の患者には必ず紹介する」(26.0%)、「確実に要件を満たすと判断した患者に紹介する」(13.0%)、「自分からは紹介しない」(9.0%)と続いた。

医師が望む改善「助成対象の条件(重症度分類)の整備」48.0%

難病医療費助成の申請をしたことがある患者(利用患者241人、非利用患者89人)に、改善ニーズについて尋ねた。最も多いのは「申請書類にかかる費用の軽減」(利用患者50.6%、非利用患者36.0%)、次いで「受給者証の更新手続きの頻度の低減」(利用患者48.5%、非利用患者23.6%)、「申請書類の種類・数の削減」(利用患者38.6%、非利用患者33.7%)だった。

利用患者では「費用」「更新手続き」についての改善ニーズが高く、非利用患者では「軽症者や医療費が高額でない患者への助成」(利用患者27.8%、非利用患者34.8%)や「居住地(都道府県)による認定率のばらつきの解消」(利用患者14.9%、非利用患者24.7%)で利用患者よりも高い傾向であることがわかった。

同様に、医師に改善ニーズ(複数回答可)について尋ねたところ、最も多いのは「助成対象の条件(重症度分類)の整備」(48.0%)、次いで「軽症者や医療費が高額でない患者への助成」(38.0%)、「居住地(都道府県)による認定率のばらつきの解消」(35.0%)だった。

患者側にも医師側にも制度の周知に課題

調査の監修を務めた札幌医科大学医学部呼吸器・アレルギー内科学講座の千葉弘文教授は次のように述べている。「難病法や難病医療費助成制度に関する情報の浸透度や制度利用の課題に関する調査は、これまであまり実施されていなかったため、今回の調査は大変意義あるものと考えている。今回の調査結果から、患者側にも医師側にもまだ十分制度内容や制度変更についての情報が届いておらず、制度の周知に課題があることがわかった。また患者だけでなく、医師からも助成対象の条件の整備や、申請手続きの負担の軽減といった、利用面での改善を期待する声が多いことも、改めて確認できた。調査は、間質性肺疾患は早期治療が重要であり、また治療費の自己負担が大きいため、患者が安心して治療に専念できるよう、国や自治体、医療従事者など患者を取り巻く組織や人たちが患者と一緒に、助成制度利用の環境を整えていく必要があると考える」。

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