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要支援高齢者、加速度計によるセルフモニタリング介入で身体活動改善-神戸大

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2024年02月26日 AM09:20

慢性疾患患者などで有効性が確認されているが、要支援高齢者では?

神戸大学は2月16日、要支援高齢者を対象に、加速度計を用いたセルフモニタリング介入が歩数、座位行動、軽強度活動といった身体活動を改善することを明らかにしたと発表した。この研究は、同大大学院保健学研究科の北村匡大研究員(令和健康科学大学リハビリテーション学部理学療法学科講師)、井澤和大准教授らの研究グループによるもの。研究成果は、「European Geriatric Medicine」に掲載されている。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

高齢者の歩数や座位行動といった身体活動は、疾病および死亡リスクと関連する。身体活動の促進は、、糖尿病、整形外科疾患、脳卒中などの疾患を予防するだけでなく、健康関連quality of life (QOL)や健康全般を改善するためにも推奨されている。特に、要支援高齢者は、健康な高齢者よりも身体活動が低下している。

セルフモニタリングは、目標設定、自己管理、フィードバックで構成される行動変容技法の一つであり、身体活動の促進や血糖値の調整に用いられている。加速度計を用いたセルフモニタリングの身体活動への効果は、健康高齢者、脳卒中や心臓病などの入院患者、慢性疾患患者を対象としたランダム化比較試験で有効性が報告されている。しかし、これまで要支援高齢者を対象に身体活動に焦点を当てた効果的な介入プログラムの検証はほとんど行われていなかった。また、加速度計を用いたセルフモニタリング介入が要支援高齢者の身体活動および健康関連QOLに与える影響については明らかにされていなかった。

加速度計によるセルフモニタリング介入、要支援高齢者への影響をランダム化比較試験で検証

今回の研究では、身体活動促進のためのセルフモニタリング介入が要支援高齢者の身体活動および健康関連QOLへ与える影響をランダム化比較試験で明らかにすることを目的として進めた2022年10月~2023年1月にデイサービスでリハビリテーションを受けた利用者106例を登録。65歳以上、要支援者、歩行可能な者を対象とし、研究の参加に同意の得られない者を除外した52例をランダム化により介入したグループ(介入群)26例、介入なしのグループ(対照群)26例に振り分けた。介入群へは5週間のフォローアップで、(1)加速度計、パンフレット、カレンダーを渡し、(2)身体活動の教育を受けてもらい、(3)歩数と座位行動の目標を設定し、(4)歩数と座位行動時間をカレンダーに記載してもらい、(5)週に1回のフィードバックを受けてもらった。対照群へは(1)加速度計、パンフレット、カレンダーを渡し、(2)身体活動の教育を受けてもらったが、カレンダーの記録に基づくフィードバックは行わなかった。解析は、データの得られた介入群24例と対照群23例で実施した。

介入群、対照群と比較で歩数・軽強度活動「増」/座位行動「減」

研究の結果、介入群は対照群と比較して歩数、軽強度活動が増加し、座位行動が減少を示した。しかし、健康関連QOLに有意差は認めなかった。同研究の新規性は、要支援高齢者において、歩数と座位行動といった身体活動のためのセルフモニタリングが、1日の歩数、軽強度活動、座位行動を改善するということを明らかにしたことだ。移動能力や活動性が低下している要支援高齢者において、歩数促進は理解しやすく、座位行動減少のために少しでも立つことは、高い身体機能を必要としない行動だ。要支援高齢者において、加速度計を用いたセルフモニタリング介入は歩数、座位行動、軽強度活動を改善する可能性が示唆された。

今後、セルフモニタリング介入の持続的な効果検証などへ

研究グループは今後、要支援高齢者の身体活動と健康関連QOLに対するセルフモニタリングの効果について、結果の信頼性を向上させ、一般化可能性を拡大できるよう、多施設からの参加者を含めた検証をしたいと考えている。家事、集団スポーツ、ガーデニング、観光など、ウォーキング以外のさまざまな身体活動に焦点を当てて、健康関連QOLへの影響を調査することが重要だ。さらに、介入後数か月および数年後に参加者を追跡し、身体活動と健康関連QOLの変化を評価し、セルフモニタリング介入の持続的な効果を検証したいと考えている、と研究グループは述べている。

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