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イブグリース、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎で承認-リリー

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2024年01月22日 AM09:00

抗ヒトIL-13モノクローナル抗体(IgG4)製剤

日本イーライリリー株式会社は1月18日、抗ヒトIL-13モノクローナル抗体製剤「(R)皮下注250mgオートインジェクター/シリンジ」(一般名:(遺伝子組換え))について、「既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎」を効能・効果として、日本における製造販売承認を取得したと発表した。


画像はリリースより
(詳細は▼関連リンクからご確認ください)

アトピー性皮膚炎は、体のあらゆる部位の強い痒み、皮膚の乾燥および炎症を特徴とする慢性および再発性の皮膚疾患。アトピー性皮膚炎は、臨床的にも生物学的にも多様性のある疾患だが、症状の表れ方も多彩であり、予測不可能な増悪を伴うことが特徴だ。アトピー性皮膚炎は強い痒みを特徴とし、痒みによって掻くことでさらに皮膚損傷を引き起こす。他の慢性炎症性疾患と同様に、アトピー性皮膚炎は免疫が関わっており、免疫細胞と炎症性サイトカインの複雑な相互作用が関与している。

イブグリースは、インターロイキン(IL)-13に結合するIgG4モノクローナル抗体。IL-13に結合することにより、IL-13受容体複合体(IL-4Rα/IL-13Rα1)の形成と、それを介したIL-13シグナル伝達を特異的に阻害することで作用する。IL-13の内在化に関与するIL-13受容体α2サブユニット(IL-13Rα2:デコイ受容体)に対するIL13の結合は、阻害しない。同剤はレブリキズマブ(遺伝子組換え)として、通常、成人および12歳以上かつ体重40kg以上の小児に対し、初回および2週後に1回500mg、4週以降は1回250mgを2週間隔(Q2W)で皮下投与する。なお、患者の状態に応じて4週以降、1回250mgを4週間隔(Q4W)での皮下投与が可能だ。

国内外の複数のP3試験の結果に基づき承認

今回の承認は、主に2つの海外第3相単剤療法試験(ADvocate1試験、ADvocate2試験)、海外第3相併用療法試験(ADhere試験)、海外第3相長期継続試験(ADjoin試験)、ならびに国内第3相併用療法試験(ADhere-J試験)の有効性および安全性の結果に基づくもの。

国内第3相併用療法試験(ADhere-J試験)では、16週時に治験担当医師による総合評価(Investigator’s Global Assessment:IGA)スコアが0または1、かつ、ベースラインから2ポイント以上の改善(IGA(0,1))を達成した被験者の割合および、16週時にEczema Area and Severity Index(EASI)スコアでベースラインからの75%以上の改善(EASI-75)を達成した被験者の割合を主要評価項目とした。両主要評価項目において、レブリキズマブQ2W投与群およびQ4W投与群では、プラセボ投与群と比較して改善を達成した被験者の割合が高く、統計学的な有意差が認められた。

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