中央社会保険医療協議会は19日、オンライン上と広島県広島市で公聴会を開き、2024年度診療報酬改定に対する意見を医療関係者、保険者など10人から聞いた。薬剤師を代表し、保険薬局の立場から意見を述べた青野拓郎氏(相田薬局管理薬剤師)は、敷地内薬局への対応を求めたほか、休日・夜間における在宅訪問の評価、緩和ケア患者宅への訪問回数制限や業務に対する評価見直しなどを訴えた。
青野氏は、医療機関の敷地内薬局に関して、「かかりつけ機能推進や地域包括ケアシステム構築の阻害要因となっている。広島県内でも誘致が止まらず、規制緩和で開設できるようになったからといって、現状を許容するのはおかしい」と厳しく指摘。
その上で、「敷地内薬局を有するグループ薬局への対応も必要であり、保険指定や更新の際に厚生局が医療機関と薬局の関係を確認し、地方の協議会で指定・更新しないなどの審議ができるよう『保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則』や関連通知の見直しも必要」との考えを示した。
後発品の供給不安問題については、「患者に薬剤変更をお願いするなど、供給不安への対応に現場は疲弊している。診療報酬上の配慮をお願いしたい」と要請した。
また、在宅患者宅への訪問については、薬局におけるターミナルケア患者の受け入れ件数が増加する一方、患者宅の訪問回数には制限がある。
青野氏は「麻薬の容量変更、症状緩和のための薬剤処方で週3回以上訪問することもある。連日訪問するには人員確保が必要で、訪問回数や業務に対する評価を見直してほしい」と求めたほか、麻薬の備蓄も非常に負担となっているとして備蓄に対応する薬局の評価も求めた。
一方、病院薬剤師については「外来腫瘍化学療法前の情報提供に対する評価は非常に重要で、医師や患者からの評価も高い」とした上で、「薬剤師不足もあるので、処遇改善を含めた取り組みが進む評価が必要」とした。