調剤報酬等の請求方法について「個別指導」を実施した保険薬局は427件、薬剤師は892人、「新規個別指導」を行った保険薬局は2589件、薬剤師は4366人、「集団的個別指導」を行った保険薬局は4504件だった。また、届出された施設基準の充足状況を確認する「適時調査」を行った保険薬局は5件、「監査」を行った保険薬局は3件、薬剤師は15人だった。
保険指定取消処分となった保険薬局は0件であったが、本来は指定取消処分を行うべき事案のうち、既に対象医療機関等が廃止されて行政処分が行えない施設を対象とした指定取消相当処分は、東京都の「十番ファーマシー薬局」(22年5月20日付)、茨城県の「共創未来友部薬局」(22年9月23日付)の2件。地方厚生局が各薬局に返還を求めた金額は、十番ファーマシー薬局が80万8000円、共創未来友部薬局は「精査中」とした。
十番ファーマシー薬局の事例では薬局開設者・管理者の薬剤師が、併設診療所の医師が不在であった19年3月に患者の診察を行い、医師の診察を装って診療報酬や調剤報酬をだまし取っていた疑いで逮捕されている。当該薬剤師は、調剤・診療報酬の不正請求に関わる詐欺罪で懲役3年、執行猶予4年の判決を受け、20年8月13日に刑が確定している。薬局は20年2月1日付で廃止、薬剤師は同3月25日付で登録を抹消しているため、取消相当の扱いとなった。
監査は医科、歯科と合わせると52施設、90人に実施し、指定取消相当を含めて18施設(前年比8施設減)の指定と14人(2人減)の登録を取り消した。
医療機関からの返還金額は、19億7261万円(指導で10億1632万円、適時調査で8億0345万円、監査で1億5283万円)で、前年度から約28億6790万円減少した。
内訳は、医科が約15億9000万円、歯科が約2億8000万円、薬局が約1億1000万円だった。