濫用の恐れのある医薬品は、対面またはオンラインによる販売を原則とする。薬剤師等が必要に応じて購入者に免許証や学生証等の写真付きの公的身分証の提示を求め、20歳以上であることの確認を行う。
1人1包装単位の販売を原則ととし、特に20歳未満の人が購入を希望する場合は小容量製品1個の販売のみとした。20歳以上の人が小容量製品を複数個、大容量製品の購入を希望する場合には購入理由を確認し、適正使用のために必要最低限の数量に限って販売することとした。
20歳未満による購入や、20歳以上による複数個、大容量製品を購入する場合は、身分証で氏名等を確認し、店舗における過去の購入履歴を参照して頻回購入でないかを確認する。販売後には、これらの情報や販売状況を記録し、その情報を保管するとした。
焦点となったのは20歳以上の購入者に対する取り扱いだ。取りまとめ案では、小容量製品1個のみの販売であればオンラインや対面によらないインターネットでの販売を可としたが、この日の検討会で構成員からは「年齢で区切らず20歳以上の購入者に対してもネット販売を不可とすべき」との意見と、「ネット販売を認めるべき」との意見が真っ向から対立した。取りまとめでは両論併記する方向で調整する考えだ。
陳列場所については、直接購入者の手の届く場所に陳列しないよう規制を強化する方向性を示したが、医薬品へのアクセスが損なわれることを危惧する構成員からの反対意見を追記した。
また、一般用医薬品の分類・販売方法は「薬剤師のみが販売できる一般用医薬品」と「薬剤師または登録販売者が販売できる一般用医薬品」の二つの区分とした。薬剤師のみが販売できる一般用医薬品は販売時の情報提供を引き続き義務とする。
薬剤師または登録販売者が販売できる一般用医薬品は、現行の「努力義務」では対応が現場任せとなり、十分な情報提供が行われていなかった実態を踏まえ、必要に応じて情報提供が実施されるようガイドラインなどで明確化する方針。
一方、一般用医薬品の販売で、薬剤師が常駐した店舗から薬剤師が常駐しない店舗に対して、デジタル技術を活用した遠隔管理を行うことを認めるとした。
管理可能な店舗については数店舗程度の上限を設定し、運用に問題がないか検証を行うと共に、管理店舗と受渡店舗のは当面の間は同一都道府県内に限ることとし、課題を検証した上で広範囲での連携を検証する。