既存ワクチンより少量投与でより効果が持続するコスタイベ
Meiji Seika ファルマ株式会社は、新型コロナウイルス感染症に対する次世代mRNAワクチン(レプリコン「コスタイベ筋注用」)について、世界で初めて国内製造販売承認を取得したことを踏まえ、2023年11月28日に記者説明会を開催した。
小林大吉郎代表取締役社長
(Meiji Seika ファルマ株式会社提供)
コスタイベは米国のArcturus Therapeutics Inc.が開発した新規sa-mRNA技術を使用したワクチンで、細胞内にmRNAが送達されると自己増幅されるよう設計されている。そのため、既存ワクチンよりも少ない接種量で高い中和抗体価が長期間(6か月)持続するのが特徴となっている。安全性・忍容性については、大規模初回免疫臨床試験および国内追加免疫第III相試験において問題ないことが確認されている。
同社代表取締役社長の小林大吉郎氏は「ワクチン敗戦と揶揄された我が国において、レプリコンワクチンの実用化という点では世界に一歩先駆けることができた。何とかゴールまで持っていきたいというのが私の願い」と強調した。
ワクチンの安定供給に向けたバリューチェーンを構築
「国産化と、今後の持続的な生産体制、開発体制が構築できないと様々に変異するCOVID-19のみならず、新興・再興感染症に対策するプラットフォームはできないと考えている」と語る小林社長は、福島を連携拠点として、mRNAワクチンの研究・開発から製造・販売まで一貫したバリューチェーンを築き、ワクチンを継続的に供給できる体制を構築していると説明した。コスタイベは2024年の秋冬接種に向け流行株に対応したワクチンの開発を推進しているという。
また、小林社長は、mRNA-LNP技術獲得を起点とし、感染症領域の創薬基盤を強化するだけでなく、技術を応用し免疫増強(感染免疫・がん免疫)や免役抑制(免役炎症疾患)など、予防から治療にまで事業を展開する可能性を追求したいと意欲を見せた。
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・Meiji Seika ファルマ ニュースリリース