改定に向けた基本的視点として、▽地域包括ケアシステムの深化・推進▽自立支援・重度化防止に向けた対応▽良質なサービスの効率的な提供に向けた働きやすい職場づくり▽制度の安定性・持続可能性確保――でまとめた。
これら基本的視点を踏まえた改定内容として、在宅における医療ニーズに対応強化するため、薬剤師が行う居宅療養管理指導について、在宅患者に適切な薬物療法を提供する観点から見直しを行う。
具体的には、在宅で医療用麻薬持続注射療法を行っている患者に対して、注入ポンプによる麻薬の使用など在宅での療養状況に応じた薬学的管理・指導の実施について新規加算を設けて評価する。
在宅中心静脈栄養療法が行われている患者に輸液セットを用いた中心静脈栄養法用輸液等の薬剤使用など、在宅での療養状況に応じた薬学的管理・指導を行うことを評価する加算も設ける。
また、心不全や呼吸不全で麻薬注射剤を使用する患者は頻回訪問が必要となるため、末期の悪性腫瘍患者や中心栄養静脈栄養を受けている人と同様、週2回かつ1カ月に8回を限度として算定することを可能とした。
診療報酬では、これら薬物療法が必要な患者への薬学的管理指導を既に評価しているが、介護報酬上でも同様に評価を行うことが必要と判断した。
医薬品医療機器等法改正により、オンライン服薬指導に関するルールが変更されたことを踏まえ、薬剤師による情報通信機器を用いた居宅療養管理指導の見直しも行う。
初回から情報通信機器を用いた居宅療養管理指導の算定を可能とするほか、訪問診療において交付された処方箋以外の処方箋に関する情報通信機器を用いた居宅療養管理指導も算定可能とした。上限である月4回まで算定可能とする。
介護老人保健施設において、入所前の主治医と連携した上で処方内容を評価・調整した場合に評価するかかりつけ医連携薬剤調整加算Iも見直し対象とした。処方内容の変更可能性について、主治医から合意を得ることが難しく、同加算の算定率が低い現状を踏まえたもの。
施設におけるポリファーマシー解消の取り組みを推進するため、新たに施設で薬剤を評価・調整した場合を評価する新たな区分を設ける。その上で、入所前の主治医と連携して薬剤を評価・調整した場合の区分を高くすることを評価する新たな加算を設ける。