厚生労働省は11日、2024年度診療報酬改定の基本方針を公表した。医療保険制度の持続に向け、長期収載品の保険給付のあり方見直し、安定供給の確保を前提に後発品の使用促進に取り組むことを明記。病院薬剤師等と薬局薬剤師が協働した長期処方のあり方への対応など、医薬品の適正使用推進も盛り込んだ。
8日の社会保障審議会医療保険部会と医療部会で基本方針案が了承されたことを踏まえたもの。改定の具体的方向性として、薬局・薬剤師関連では重点課題に示された「効率化・適正化を通じた医療保険制度の安定性・持続可能性の向上」で多くの項目を盛り込んだ。
薬価については、長期収載品の保険給付のあり方見直し、革新性が高く市場規模が大きいまたは著しく単価が高い医薬品等に費用対効果評価制度を活用し、適正な価格設定を行うこととした。
市場実勢価格を踏まえた適正な評価、効率的で有効・安全な利用体制の確保も記載した。
後発品に関しては、安定供給の確保状況を踏まえつつ、使用促進の取り組みを推進するほか、バイオ後続品については新たな政府目標を踏まえた使用促進策を実施することとした。
医師・病院薬剤師と薬局薬剤師の協働による取り組みで、医薬品の適正使用を推進することも明記。重複投薬、ポリファーマシー、残薬、適正使用のための長期処方のあり方への対応、リフィル処方箋の活用など、医師と薬剤師の適切な連携による医薬品の効率的で安全・有効な使用を進めることとした。医学的妥当性や経済性の視点も踏まえた処方推進にも取り組むとしている。
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)推進による医療情報の有効活用、遠隔医療の推進に関しては、電子処方箋の普及、薬剤禁忌情報の入力・管理等を通じて医療連携に取り組むとした。