この日の会議で厚労省は、要指導・一般用医薬品としての必要性や課題について、2022年12月会合で議論した3成分のOTC化に向けた課題と対応策を検討会議結果案として提示した。
乳糖分解酵素製剤では、健康な成人・小児等の乳糖不耐症により生ずる消化不良の改善を効能・効果とするニプロESファーマの「β-ガラクトシダーゼ(アスペルギルス)」(販売名:ガランターゼ散50%)、高田製薬の「β-ガラクトシダーゼ(ペニシリウム)」(ミルラクト細粒50%)の2製品をめぐり、スイッチOTC化の課題や対応策を議論。「乳糖不耐症の疾患を対象とせず、牛乳でお腹を壊しやすい人が購入できるようにしてほしい。場合によっては食品区分とすることも検討を」などの意見があった。
スイッチ後の区分のあり方については、様々な意見が出た。磯部総一郎構成員(日本OTC医薬品協会理事長)は「食品区分としての論点も提示された。スイッチ化するに当たって、要指導からという厳しい規制区分だけでなく、特性に合わせた規制、管理のあり方も考えていくべき」と提案。
宗林さおり構成員(岐阜医療科学大学薬学部教授)は、「食品区分の中だと、製品の特徴として特別用途食品がかなりぴったり当てはまると思う。ゆくゆくは調整してほしい」と述べた。
一方、久光製薬の経皮吸収型過活動膀胱治療剤「オキシブチニン塩酸塩」(ネオキシテープ73.5mg)については、パブリックコメントで「貼付部位の皮膚症状の発現率が46.6%というのは広く一般の人が使う薬剤としては高すぎるため、怖く感じる」という声があった。構成員からも、薬剤師による副作用の管理や適正使用を推進するために使用者への情報提供が検討課題との指摘が多く出た。
堀恵構成員(ささえあい医療人権センターCOML)は、「1日1回なので介護をする人にとって非常にOTC化が望まれる」とした上で、「消費者目線に立って、懸念や不安を払拭するための分かりやすい資材は必要になる」と述べた。
岩月進構成員(日本薬剤師会常務理事)は、「一定期間は継続して使う可能性のある薬剤だと思う。薬剤師が使用者との接触機会を増やすための包装用量などを工夫した製品形態とすべき」とした。