政府の全世代型社会保障構築会議は5日、全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)の素案を経済財政諮問会議に示した。2024年度に長期収載品の保険給付のあり方の見直しに関する検討を進めること、2028年度までに薬局薬剤師の役割強化について検討するなど、時間軸に沿って施策を記載し、年内に閣議決定される予定。
医療・介護制度等に関する改革では、来年度までに実施する取り組みとして、「イノベーションの適切な評価などのさらなる薬価上の措置を推進するための長期収載品の保険給付のあり方の見直し」を盛り込んだ。創薬力強化に向け、革新的医薬品等の開発強化、研究開発型のビジネスモデルへの転換を促すため、後発品の安定供給を図りつつ、長期収載品の保険給付のあり方の見直しを中心に検討を進める。
28年度までに実施を検討する取り組みとして、長期収載品の検討結果を踏まえ、24年度診療報酬改定後にイノベーションの評価や後発品の安定供給の状況を含め、施行状況について検証を行う。
また、「効率的で質の高いサービス提供体制構築」を掲げ、薬局薬剤師の対人業務充実、対物業務の効率化、薬剤師の役割強化も検討する。リフィル処方箋のさらなる活用、多剤重複投薬や重複検査等の適正化に向け、実効性のある仕組みも検討するとした。
医療DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化・質の向上に関しては、電子処方箋の普及拡大、利活用に関する取り組みを進めるほか、医療分野における生成AI(人工知能)を用いたデータ活用について必要な検討を行うとした。