医療保険部会では、医療上の必要性の判断について渡邊大記委員(日本薬剤師会副会長)が「銘柄指定が患者希望か、医療上の判断か薬局が混乱しないよう処方医が変更不可欄にチェックを入れているものは必要と判断するなど、明確な基準が必要」と指摘。北川博康委員(全国健康保険協会理事長)も「医療上の必要性が認められるとの解釈については、客観的判断ができる基準や具体例を明確にすべき」と求めた。
佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)は、長期収載品を用いる医療上の必要性に関する十分な根拠を説明するために、「除外要件の適用については具体的な理由をレセプトに明記するなど担保が不可欠で、適切な範囲にとどめるべき」と提言した。
一方、中医協総会でも、長期収載品を使用する医療上の必要性の解釈をめぐって、委員から判断基準を設けるよう求める指摘が相次いだ。
飯塚敏晃委員(東京大学大学院経済学研究科教授)は「医療上の必要性の捉え方が医療機関でばらつくと混乱する。ガイドラインを策定するようお願いしたい」と要望。他の委員からも同様の指摘が相次いだ。
後発品の確保が困難な場合は、長期収載品に対する選定療養の適用を除外するよう求める意見も出た。対象品目について、森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は「少なくとも後発品の上市直後は対象とすべきでない。置き換え率は一定程度置き換えが進んでいるものを対象とするのが良い」との考えを示した。
これに対し、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、医療上の必要性から除外要件を設けることに賛同しつつ、対象品目は「後発品上市後5年が目安になる。置き換え率はある程度後発品が浸透した50%が目安」との考えを披露。出荷停止・出荷調整品目は「一定の配慮をすべき」としつつも、「全体として必要量に達しているのであれば選定療養の対象にすべき」と述べた。
長島公之委員(日本医師会常任理事)は、選定療養の対象品目について「代表的な事例について、いくつかパターンを示してもらうなど、シミュレーションを実施した上で検討する必要がある」との考えを示した。
その他の委員からは、院内処方、入院での処方を選定療養から除外するよう求める意見が上がった。