日本肥満学会は、ノボノルディスクファーマが肥満症治療薬として承認を取得したGLP-1受容体作動薬「ウゴービ皮下注」が22日に薬価収載されたことを踏まえ、「安全・適正使用に関するステートメント」をまとめ、27日に発表した。一定の診断に基づく適応の遵守を呼びかけると共に、糖尿病治療患者に対するウゴービ投与による低血糖への注意、自殺企図・念慮を有する患者への留意を求めた。
ステートメントでは、同剤の適応が「肥満症」であることを説明した上で、「健康障害を伴わない肥満に用いるべきではなく、低体重や普通体重など適応外の体重者に対し美容・痩身・ダイエット等の目的で用いる薬剤ではない」と強調した。
安全性については、糖尿病治療薬との併用では「低血糖を来す可能性が増大する」と指摘した。
同剤を処方する場合、糖尿病治療を行っている医師自身が行うか、糖尿病治療を行っている医師との十分な連携のもとで行うべきとした。
副作用については、添付文書上の注意のほか、高度肥満症に対し「メンタルヘルスの変化にも注意し、自殺企図または自殺念慮を有する、あるいは既往のある患者には格別の留意が必要である」と明記し、注意を促した。
ステートメントは25日付で策定された。