厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会は22日、2024年度から新型コロナワクチンの予防接種を現在の特例臨時接種から定期接種に位置づけ、疾病分類を季節性インフルエンザと同様の「B類疾病」に分類することを了承した。定期接種対象者は65歳以上の高齢者と基礎疾患等を持つ高リスクな60~64歳とし、年1回秋冬頃の接種を想定している。費用負担は実施主体である自治体ごとに異なる。
現在、新型コロナワクチンの接種は予防接種法上で「まん延予防上緊急の必要性がある」と認める時に実施する特例臨時接種に位置づけられている。9月に行われた予防接種基本方針部会では、特例臨時接種を今年度末で終了する方針を決めていた。
この方針を踏まえ、2024年度からは新型コロナウイルス感染症をB類疾病に位置づけ、定期接種として実施する案を了承した。B類疾病における予防接種は、個人予防目的に比重を置き、個人の発病・重症化防止および間接的な集団予防を図るもので、季節性インフルエンザが含まれる。
定期接種の対象者は、65歳以上の高齢者と60~64歳の慢性高度心・腎・呼吸器機能不全者等とする。定期接種の対象者以外であっても、来年度以降は他のワクチンと同様に一般流通が行われる見込みであるため、任意接種として接種の機会を設ける見通しだ。
定期接種は年1回で秋から冬にかけてのシーズンを想定しており、ワクチンに含むデルタ株やオミクロン株等のウイルス株は当面の間、毎年見直すこととした。
費用については、実施主体である市町村からの補助があり、地域によって自己負担額は異なる。低所得者などは無料で接種が可能。
委員からは、定期接種化について、国民に対してこれまでと異なる位置づけとなることの周知と理解を促すよう要望する声が出た。そのほか、自治体ごとに自己負担額に差が生じていることの課題認識や、関連して予防接種を保険医療と位置づける提案もあった。