医薬品リスク管理計画(RMP)に基づく患者や医療従事者向け資材等の作成に、患者や市民の意見を取り入れている国内の製薬企業は現状ではまだ少ないことが、京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻健康情報学分野の笠井舞氏らが実施した調査で分かった。欧米では製薬企業が患者や市民と一緒に医薬品開発に取り組むPPIという動きが広まっているが、日本では遅れている。一方、具体的な取り組みは未実施だが、PPIに前向きな姿勢を示す製薬企業は多かった。
17日に京都市で開かれた日本薬剤疫学会学術総会で調査結果を報告した。調査は、日本製薬工業協会加盟の71社と製薬協加盟企業以外で新薬のRMPを作成している製薬企業45社の計116社を対象に実施したもの。その結果、77社(66.3%)から回答があり、RMPの作成実績があったのは72社と、多くの企業がRMPの追加のリスク最小化活動として医療従事者や患者向け資材を作成していた。