厚生労働省の「後発品の安定供給等の実現に向けた産業構造のあり方に関する検討会」が13日に開かれ、安本篤史構成員(ネクスレッジ社長)が協業体制(コンソーシアム)による後発品業界再編案を提言した。大手3社が現在の形態で存続させつつ、撤退企業が市場から去った後に中堅・小規模企業が協業体制を形成することでで、最終的には業界全体を大手3社と10~15程度のコンソーシアムに集約し、安定供給を図っていく姿を描いた。
安本氏は、同一成分で過剰に複数の企業が屋号を持っている状況を踏まえ、市場規模が大きい標準治療薬については大手と中堅・小規模企業のコンソーシアムが十分なシェアを確保し、透明性が担保された供給体制を実現すべきとした。
具体的には先発品とオーソライズドジェネリックを除き25品目が存在するアムロジピン錠について、数社を業界シェアの高いメーカーに集約させることを例示。製造拠点については協業スキームとしてシェアの最も高い屋号の製造拠点以外の製造所に変更が望ましい場合もあるため、手続きが煩雑な承認事項の一部変更申請ルールを緩和するよう挙げた。
また、開発・製造・品質管理・供給・ブランドのバリューチェーンで各社が持つ強み・弱みを相互に補完し、品目統合を目指すよう提言した。高度な品質管理能力と高いクオリティーカルチャーを有する1社が主導して品質保証・管理チームを作り、コンソーシアム内の品質保証・管理を行う体制に加え、複数社での品目統合によって安定供給の盤石化を実現した際には、薬価を引き上げることも検討課題に挙げた。
構成員からは「比較的規模が大きな企業が業界再編の旗振り役をするべきではないか」との意見が出たという。
そのほか、「シェアが低くても撤退していない企業には撤退を促すための施策が必要ではないか」「同一成分内で最後まで供給を引き受けている企業には何らかの支援策があるべき」との発言もあった。