GL推奨の問診式検査MMSE、実施時間や専門性など課題
大塚製薬株式会社は11月8日、株式会社アイ・ブレインサイエンスが神経心理検査用プログラム「ミレボ(R)」の国内における医療機器製造販売承認を取得したと発表した。
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認知症の問診式検査であるMMSE(Mini Mental State Examination)は、神経心理学的検査として、国内外の認知症のガイドラインで推奨されており、日常臨床で認知症のスクリーニングに広く使用されている。一方で、約20分の実施時間を要することや検査者に専門的な知識や経験が必要とされる。さらに、被検者の心理的負担が強く、約70%の被検者が検査に苦痛を感じたとの報告もある。これらの課題から、より簡便かつ客観性のある検査法が望まれている。
視線計測データを自動スコア化、約3分間で簡便・客観的に検査可能
今回承認されたミレボは、タスク映像における被検者のアイトラッキング(視線計測)データをアルゴリズム処理し、スコア化する。タブレット端末にApp Storeからインストールしたアプリ「ミレボ」を使用することで、約3分間で簡便に検査を実施できる。画面に表示される質問に沿って被検者が正解の箇所を見つめることにより、データを自動的にスコア化し、定量的かつ検査者の知識や経験に依存せず客観的に評価することが可能になる。
臨床試験で、アプリ検査スコアとMMSE総合点の相関認める
臨床的に認知症と診断された被験者およびそれ以外の被験者(認知機能健常者およびMCIが疑われる被験者を含む)を対象に実施した臨床試験結果では、主要評価項目の「本プログラム(アプリ)による検査スコアとMMSEの総合点における相関」が認められた。副次評価項目の検査者に対する使用評価調査では、検査者の負担軽減が確認された。
発売準備が整い次第発売予定、認知症早期発見の一助として期待
ミレボは、日本初の薬事を取得した認知症の診療支援に用いる神経心理検査用プログラムになる。同社は今後、保険適用の手続きを行い、発売準備が整い次第、販売する予定だとしている。また、「ミレボにより検査の選択肢が広がることで、現在の課題を解決するとともに、認知症の早期発見の一助になることを期待している」と、述べている。
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