医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > プレミアム > 【財政審】基本料1の範囲見直しを-集中率高い薬局に照準

【財政審】基本料1の範囲見直しを-集中率高い薬局に照準

読了時間:約 1分47秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2023年11月06日 AM10:58

財務省は1日の財政制度等審議会財政制度分科会で、2024年度予算編成に向けた社会保障改革の考え方を示した。2024年度調剤報酬改定に向け、処方箋集中率の高い薬局における調剤基本料1の適用範囲や地域支援体制加算1.2の要件見直しを要求。リフィル処方箋では、医療費適正化効果を達成するまで処方箋料を時限的に引き下げることを求めるなど、より一層の診療報酬の合理化・適正化を迫った。

調剤報酬では、2.3よりも点数が高い調剤基本料1に言及した。予算執行調査から集中率が高い薬局でも算定されている実態が見られるとして、集中率が高い薬局における調剤基本料1の適用範囲を見直すべきとした。

また、調剤基本料1の薬局を対象に、地域医療に貢献する薬局を評価する地域支援体制加算1.2の実績要件の抜本的見直しも要求。具体例として、処方箋集中率が高い薬局の後発品調剤割合要件を見直すこと、残薬への対応や減薬の提案に関する実績の必須化、地域連携薬局の認定を受けていることなどを要件にすべきとした。

薬価改定については、毎年薬価改定が実施されている一方、2023年度の中間年改定では新薬創出等加算の累積額控除等のルールが適用されず、2年に1度しか適用されないルールがあるのは説明が困難と指摘。25年度改定では既収載品の算定ルールを全て適用すべきとした。国の薬剤費のうち約3割を占める新薬創出等加算対象品目に関するイノベーションの適切な評価、約2割の長期収載品の自己負担のあり方を見直す必要があるとした。

一方、診療所に厳しくメスを入れることを求めた。2022年度診療報酬改定で導入されたリフィル処方箋による医療費適正化効果が未達として、適正化効果を達成するまで処方箋料を時限的に引き下げること、薬剤師がリフィル処方箋への切替を医師に提案することを評価する仕組みなどを検討すべきとした。

2022年度の診療所の経常利益率が8.8%と2年間で5.8ポイント増加するなど、「極めて良好な経営状況」と指摘。報酬単価を引き下げる一方、地域間の偏在が解消されていないとして、不足地域と過剰地域で異なる1点当たり単価を設定し、人的資源を不足地域にシフトするよう促すべきとした。

保険給付範囲の見直しとして、高額医薬品は費用対効果を見て保険対象とするか判断し、有用性が低いものは自己負担を増やす、または薬剤費の一定額までは自己負担すべきとした。OTC類似薬に関する薬剤の自己負担のあり方も検討し、その際、保険外併用療養制度の柔軟な活用・拡大も検討すべきとした。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 プレミアム 行政・経営

  • 【PMDA】コロナ薬投与で注意喚起-妊娠可能性ある女性に
  • 【薬価部会】不採算品再算定、対象絞り込みを-25年度中間年改定
  • 【厚労省調査】敷地内薬局、専門連携の1割-処方箋集中率は93.1%
  • 【臨試協調査】外資が日本を第I相拠点に-国内実施のメリット認識か
  • 【NPhA】半数以上が後発品を選択-長期品選定療養に一定効果