武見敬三厚生労働相は24日の閣議後会見で、後発品メーカー最大手の沢井製薬による胃炎治療薬の安定性モニタリングの溶出試験方法に関する不正事案に言及し、「後発品の信用を著しく失墜させるもので、大変遺憾」と批判した。
同事案をめぐっては、同社九州工場が製造する胃炎治療薬「テプレノンカプセル50mg『サワイ』」について、安定性モニタリングの溶出試験で承認書と異なる試験方法を長年にわたって行っていたことが判明。
同社によると、不適切試験は2015年以降、カプセルから内容物である顆粒を取り出して別の新しいカプセルに詰め替える作業を行った上で、溶出試験の合否判定を行う不正が継続的に実施されていたという。
武見氏は、「21年の小林化工に対する行政処分以降、後発品メーカーの不祥事が相次いでいるが、本件も後発品の信用を著しく失墜させる事案で、大変遺憾」と述べた。
その上で、同社の本社を所管する大阪府、九州工場を所管する福岡県でさらなる調査や処分方針の決定が行われるとの見通しを示し、「厚労省としても、厳正に対処するよう指導・連携すると共に、医薬品製造業者等に対する一層の薬事監視体制強化に取り組んでいきたい」との考えを示した。
既に同社は、九州工場を所管する福岡県から7月に査察を受け、GMP不適合との指摘を受けている。