厚生労働省は23日、2021年度「国民医療費の概況」を公表した。医療機関などで保険診療の対象となる治療にかかった費用の総額は45兆0359億円となり、前年度から2兆0694億円(4.8%)増加した。薬局調剤医療費は前年度比3.0%増だった。厚労省は「前年度は新型コロナウイルスの影響で受診控えがあった。その反動で医療費の伸びが大きくなっている」との見方を示した。
国民医療費の総額を年齢階級別に見ると、0~14歳は2兆4178億円、15~44歳は5兆3725億円、45~64歳は9兆9421億円、65歳以上は27兆3036億円と、65歳以上の医療費が全体の60.6%と約6割を占める傾向に変化はなかった。
診療種類別では、薬局調剤医療費は前年度比3.0%増の7兆8794億円だった。医科診療の医療費が32兆4025億円(5.3%増)となり、このうち入院医療費は16兆8551億円(3.2%増)、入院外医療費は15兆5474億円(7.6%増)だった。
1人当たりの国民医療費を年齢階級別に見ると、65歳未満は19万8600円(8.2%増)、65歳以上は75万4000円(2.8%増)だった。
そのうち薬局調剤医療費は、それぞれ3万7500円(6.2%増)、12万5100円(1.0%増)で、医科診療の医療費は13万3900円(9.5%増)と56万4700円(3.0%増)だった。