厚生労働省は22日、全国の病院2609施設に対する2020年度立入検査の結果を公表した。薬剤師数の適合率は、前年度比0.5ポイント増の97.6%だった。病床規模別で見ると、400床以上ある大規模病院では99%以上の適合率となった一方で、20~49床の小規模病院では約93%にとどまった。
医療法第25条では、病院が同法の規定する人員、設備を備え、適正な管理を行っているかどうかを厚労省が検査することとしており、院内で勤務する医師や薬剤師等の充足率、安全管理体制の確保状況等を確認している。充足率に関しては、同法施行規則で定める標準数に対する医療従事者数の割合を示している。
20年度はコロナ禍の影響で全病院の32.1%に当たる2609施設への実施にとどまり、前年度の実施率94.0%を大幅に下回った。
その結果、薬剤師数の適合率は97.6%(2546施設)で、前年度の97.1%を上回った。地域別に見ると、東海、近畿98.9%、北陸・甲信越98.3%、関東98.1%の順に高かった。東日本の平均は97.9%、西日本は96.9%で、それぞれ前年度から0.2ポイント、0.3ポイント上昇した。
病院種別では、一般病院で97.9%、精神科病棟で96.3%だった。病床規模別では、500床以上、400~499床では99.3%と高い数値を示したが、20~49床では93.1%とやや低い水準となった。
一方、厚労省は、高度な医療を提供する特定機能病院に関する22年度の立入検査の結果も公表した。67施設に立入検査、20施設に書面で確認を行った結果、指摘事項があった病院は71施設だった。
内訳を見ると、「口頭指摘事項」があったのは70施設、「検討を要する事項」を通知したのは16施設だったが、「不適切事項」を通知した病院はなかった。
口頭指摘事項は178件あり、このうち「医薬品、医療機器の安全管理のための体制確保」は23件だった。