濫用の恐れのある医薬品の対応案として、専門家が対面かオンラインにより購入者の状況を把握し、年齢等の必要事項の確認、情報提供を行うと共に、販売の可否を判断できる方法とするよう求めた。現行ルールでインターネット販売は可能となっているが、購入しようとする若年者の確認が不十分との指摘が上がっていた。販売時には、対面かオンラインで購入者の状況をしっかりと確認することとした。
製品の容量についても、現行ルールでは1人1包装の販売量とされているが、1箱で致死量に相当する大容量包装製品が販売されている実態を踏まえ、適正な使用のための必要量を適切に販売できるよう小容量包装の販売を原則とすることを提言した。
未成年者への販売時には、購入時に身分証などによる本人確認を求め、購入者の氏名・販売数量を記録することや、それらの記録を参照して販売することを明記。自治体による販売方法の監視を可能とすると共に、同一店舗・チェーンにおける頻回購入の防止を図る。複数店舗での重複購入を防ぐ仕組みの導入も検討すべきとした。
一方、要指導医薬品については、薬剤師の判断により医療用医薬品と同様にオンライン服薬指導を行うことを認める。ただ、医薬品の特性に応じて、オンラインではなく対面で情報提供などを行うことが適切である品目については、オンラインでの情報提供のみで販売可能な対象から除外できる制度が必要とした。
要指導医薬品が一律に一定の時間経過によって一般用医薬品に移行する制度についても、医薬品の特性に応じ、必要な場合には一般用医薬品に移行しない区分を設けることも提案した。
デジタル技術を用いた医薬品販売店舗の遠隔管理については、薬剤師等が常駐しない店舗(受渡店舗)で、管理店舗の薬剤師等による遠隔での管理のもと管理店舗の医薬品を保管しておき、管理店舗から情報提供して医薬品を販売し、受渡店舗で受け渡すことを可能とすることを明記した。
管理店舗と受渡店舗の関係については同一法人に限定せず、当面の間は同一都道府県内に限るとした。相談対応や医薬品の管理の要件、管理する受渡店舗数の上限などは今後の実証事業を通じて検討する。
処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売、いわゆる「零売」については法令上規定する。医療用医薬品は処方箋に基づく販売を基本とした上で、従来の処方箋医薬品の位置づけとなるリスクの高い医療用医薬品を除き、例外的に「やむを得ない場合」に薬局での販売を認めることとして法令上規定する方針だ。
医療用漢方製剤についても処方箋なしで薬局で販売されている場合は、規制の対象に含まれる。一方、薬局製造医薬品の漢方薬は、医薬品医療機器等法上、医療用医薬品とは別のカテゴリーとなるため、これまで通り販売が可能になるとしている。