吉田氏は、「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」において、ドラッグラグ/ロスの課題解決に向け、法的対応が必要な場合、医薬品医療機器等法改正で対応する可能性があることを指摘した。
薬機法など法改正関連では、施行後5年をメドとした薬機法見直しの議論の方向性に触れ、「現時点では具体的方向性や時期は未定だが、薬事規制のあり方検討会等では様々な検討事項が出てくる。その中で、法改正が必要な事項があれば対応が必要となるし、関係者や国民からの意見も聞きながら、適切な時期に法改正に向けた検討を進めていきたい」とした。
医薬局は、薬局・薬剤師関連で多くの課題を抱える中、吉田氏は「医薬品産業のあり方も含めて一つひとつが大きな案件だが、今がこれらをパッケージとして議論する良いタイミング」と言及。
中でも、小児用医薬品、希少疾病用医薬品のドラッグラグ/ロス問題の対応策については、薬事規制のあり方に関する検討会で議論が進められているが、「コロナ禍以前からこの問題が起こっていたが、ほとんど対応が進んでいなかった。一気に社会的に顕在化した問題で、できることから一歩ずつ着実に進めていきたい」とした。
薬剤師の働き方については、「調剤後のフォローアップ、ICT対応など薬剤師のあり方として進化した部分には対応できているが、まだかかりつけ薬剤師などにはオール薬剤師として対応できていない」と指摘。
そのため、「専門性を高める研修のあり方も含めて考えていく必要がある」との考えを示した。
後発品の安定供給問題に関しては、医薬局の役割として「薬事監視体制の強化など体制整備に既に取り組んでいるが、さらに監視の質向上に取り組みたい」とし、都道府県との連携体制整備にも注力するとした。
電子処方箋の全国的な普及に向け、厚労省の2024年度予算概算要求では、院内処方情報の登録・閲覧を可能にするシステム改修を明記しており、吉田氏は「院内処方は当然と思うが、まだ全体的に病院や診療所の普及が進んでいないので、とにかく早く普及させることが最大の狙い」と背景を説明した。