中央社会保険医療協議会総会は23日、ノバルティスファーマの再生医療等製品で、遺伝性網膜疾患治療剤「ルクスターナ注」(一般名:ボレチゲンネパルボベク)を薬価基準に収載することを了承した。30日付で収載される。新規作用機序を有することなどから有用性加算(45%)などの適用対象となったが、原価開示度が低いことを理由に、加算係数ゼロを適用。薬価は4960万0226円となった。各眼に1回の注射で治療効果を発揮する遺伝子補充療法で、患者1人当たりの薬剤費は約1億円の高額医薬品となる。
原価計算方式で算定した。新規作用機序を持ち、効能・効果である両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーは標準的治療法が確立されていない重篤疾患である一方、同剤は長期間にわたって改善が維持されているとして、45%の有用性加算Iを適用した。希少疾病用医薬品に指定されているため、10%の市場性加算Iもつけたが、原価開示度が50%を下回ったため、加算係数ゼロが適用された。
薬価は、0.5mL1瓶が4960万0226円。予測市場規模は、ピーク時の6年目に5人、販売額は5億円。
同剤は、遺伝子の機能欠損を補う遺伝子補充療法で、各眼につき網膜下への1回の注射で正常なRPE65遺伝子を組み込んだ病原性のないアデノ随伴ウイルス2型(AAV2)により正常な遺伝子が導入され、RPE蛋白質が長期間安定して発現することにより、視覚サイクルが正常に機能するようになると期待されている。