日本薬剤師会は8日、薬学6年制課程の定員抑制について、2036年時点で薬剤師の目標偏在指標を下回る12県を例外区域とする例外告示案に対してパブリックコメントを提出した。薬学部卒業生の就職地等を広く調査した上で、その地域に薬剤師を定着させる方策を検討するよう要望した。
日薬は、例外区域とされた12県が新設などを実施した場合、「全国の総収容定員は増加することになり、定員抑制の基本方針に明らかに矛盾する」と懸念を表明。今後、例外措置により薬学生が増加しても、卒業後に当該地域に就職する保証がないため、「新設が地域の薬剤師不足の解決につながるとは限らない」と指摘した。
今後の対応に向けては、薬学部卒業生の就職地調査などで実態を把握し、薬剤師が不足している地域に定着させる方策を検討するよう要望。全国の総収容定員が増加することがないよう指標を上回る地域の定員削減、定員を満たさない大学の適正化を含め文部科学省が主体となって調整することを求めた。さらに、例外告示案による措置が3月に公布された定員抑制の制度化の趣旨を損なうことがないよう厳格に運用することも要請した。