意見書は、一般薬の販売制度見直し等を議題としている厚労省の「医薬品の販売制度に関する検討会」における議論を踏まえたもの。今回、▽要指導医薬品のオンライン服薬指導▽濫用等の恐れのある医薬品の販売方法▽「対面神話」からの脱却――について要望した。
具体的には、要指導薬におけるオンライン服薬指導を一刻も早く可能にするよう要求。要指導薬では、対面による情報提供や服薬指導等が求められる一方、医療用医薬品はオンライン服薬指導が認められている。
意見書では、厚生労働科学研究班の要指導薬のオンライン服薬指導の実施可能性に関する調査結果では、薬剤師の回答はいずれの項目でも「実施可能」との回答が最多を占めたとして、要指導薬についてオンライン服薬指導を否定するような理由は見当たらず、認めるべきでないとする合理的根拠に基づく主張もされていないとして、早急な実現を迫った。また、服薬指導が可能な要指導薬の範囲を予め限定すべきでないとした。
検討会では、市販薬の濫用者増加を受け、ネット販売の禁止を求める意見も上がっているが、濫用の増加とネット販売の相関関係を示すデータはないなどと指摘。濫用等の恐れのある医薬品の販売方法として、従来のネット販売を禁じてビデオ通話を義務化する案に強く反対した。文字で得た情報や履歴をもとに薬剤師や登録販売者が販売可否を判断し、必要に応じてメール等で追加のコミュニケーションを取っていることなどの実績を根拠とした。
濫用防止策として、個人情報と紐付けた販売履歴の蓄積、履歴との照合により、同一人物による大量・頻回購入の防止、販売後の状況確認をルール化することも検討すべきとした。
さらに、検討会の議論に関して、ネット販売を否定する意見が多く、合理的根拠に基づいた検討が行われていないと指摘。対面さえ行えば問題がほぼ解決するかのような「対面神話」に基づく制度設計から脱却し、対面でもオンラインでも客観的で具体的なルールを、各販売方法の特徴に応じて設定していく必要があるとした。