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小児SMAスピンラザP2試験結果発表、早期投与で長期的に運動機能改善-バイオジェン

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2023年07月13日 PM12:15

早期にスピンラザ治療を開始した小児SMA患者対象の臨床第2相オープンラベル試験

・ジャパン株式会社は7月11日、)の臨床症状発現前にスピンラザ(R)(一般名:)による治療を開始した小児が、5年間にわたり運動機能を維持し続け、新たなマイルストーンを達成していることを示すNURTURE試験のデータを発表した。同データは、「Muscle & Nerve」に掲載されている。

スピンラザは、体内で生成される完全長Survival Motor Neuron(SMN)タンパク質の量を継続的に増やすことで、SMAの根本原因を標的にするアンチセンス・オリゴヌクレオチド(ASO)。発症部位に到達するよう、中枢神経系に直接投与する。同剤は乳幼児・・成人の治療薬として60か国以上で承認されており、SMAの基盤となる治療として、全世界で1万4,000人以上が同剤による治療を受けている。

NURTURE試験は、継続中の臨床第2相オープンラベル試験で、SMAの遺伝子診断を受け(1型または2型SMAを発症する可能性が極めて高いと考えられる)、生後6週前に最初のスピンラザ投与を受けた25人の発症前の小児を対象にしている。また、早期治療の影響を深く理解するため、8歳までのより長期的なスピンラザ治療の有効性と安全性を評価している。

SMN2遺伝子コピー数2の小児15人中13人は「自力歩行」可能に

NURTURE試験の5年間の結果によると、SMN2遺伝子のコピー数が3の小児10人は、1人の例外(補助があれば歩行できるようになる時期を逸した症例だが、その後期待された時期に自力歩行を達成)を除き、世界保健機関(WHO)による運動に関する全てのマイルストーンを年齢相応の時期に達成した。

SMN2遺伝子のコピーを2つ有する小児15人は、全員が補助無しで座り、補助があれば立ち上がることができた。15人のうち14人は補助があれば歩行できるようになり、13人は1人で立ち上がり、1人で歩けるようになったという。数人は年齢相応の時期にこれらのマイルストーンを達成した。

NURTURE試験の結果が前回の論文で報告されて以降、SMN2遺伝子のコピーを2つ有する追加の2人がフィラデルフィア子ども病院乳幼児神経筋疾患テスト(CHOP INTEND)で、最高スコアを3.8歳~4.8歳の間に達成し、同試験でこれを達成した小児の総数は22人となった。そのうち、SMN2遺伝子のコピー数2は12人(80%)、SMN2遺伝子のコピー数3は10人(100%)だった。主要評価項目で定義された呼吸介入を必要とする症例について、前回のデータカット時には4例が報告されていたが、今回新たに該当する症例は認められなかったとしている。

正常な発育状況に相応の時期に運動機能のマイルストーンを達成した参加者割合「高」

NURTURE試験データの事後解析では、神経損傷の指標が臨床症状の発現前から疾患進行を示すという仮説のもと、ベースラインの疾患活動性(例えば、複合筋活動電位[CMAP]や反射消失)の早期マーカーを評価した。NURTURE試験では、CMAP値の低い(≥1 mV)または反射消失のある患者の組み入れも認め、他の発症前SMAを対象とする臨床試験とは異なるベースラインの特徴を有する参加者を組み入れた。

腓骨CMAPが2mV以上または反射消失を有するという基準を満たさないSMN2遺伝子を2コピー持つ参加者のデータを除外すると、NURTURE試験サブグループの全体的な運動機能および非運動機能のアウトカムは、試験コホート全体のデータより良いものだった。具体的には、正常な発育状況に相応の時期に運動機能のマイルストーンを達成した参加者の割合がより高く、24か月以内に呼吸器の装着や胃瘻チューブの造設を要した小児やSMAを発症した小児は皆無または少数だった。

フォローアップ期間延長中のスピンラザの安全性プロファイルは、以前報告された結果と一貫していた。同試験では、12人(48%)の参加者が1つ以上の重篤な有害事象(AE)を経験したが、いずれのAEあるいは重篤なAEもスピンラザ治療との関連はないと考えられるという。NURTURE試験で最も多く報告されたAEは、発熱、上気道感染症、咳、鼻咽頭炎だった。約1年ごとに解析すると、重症AEの発症率は時間の経過に伴い減少したとしている。

個々のSMA患者のベースラインに基づく治療効果予測に役立つ可能性

今回の発表により、NURTURE試験の参加者が2年間のフォローアップ期間延長後も全員生存していること、また、永続的な人工呼吸器の使用を必要とする参加者はおらず、25人中23人の子どもはそのほとんどが年齢相応の時期に自力歩行していることが明らかになった。

同社は「新生児スクリーニングが世界的に拡大する中、本試験のデータは疾患活動性の客観的指標の重要性にさらなる洞察を提供し、これは個々の患者のベースラインに基づき、治療効果を予測することに役立つ可能性がある」と、述べている。

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